アニマル泉

ナイトメア・アリーのアニマル泉のレビュー・感想・評価

ナイトメア・アリー(2021年製作の映画)
4.5
ギレルモ・デル・トロがエドマンド・グールディング監督の「悪魔の往く街」をリメイクした。夜の描写が素晴らしい。火、雨、後半は雪。官能的な夜だ。ギレルモは縦構図が好きだ。スタン(ブラッドリー・クーパー)がグリンドルのボディーガードのアンダーソン(ホルト・マッキャラニー)を車で轢き殺す場面、最初は車をバックさせて跳ね飛ばし、もう一度直進して轢き殺すのが凄まじかった。本作は「円」が頻出する。時計、丸鏡、丸窓、観覧車、回転木馬、古典的なアイリスアウト、そして胎児だ。
ケイト・ブランシェットの悪女っぷりが圧巻だ。突然女性が発砲する映画である。ブラッドリー・クーパーは残念ながら「悪魔の往く街」のタイロン・パワーに敵わない。華やかさと色気が足りないのだ。成り上がる前と絶頂期のコントラストに欠ける。タイロン・パワーは見事だった。本作では「悪魔の往く街」と同じく「酒」が重要である。さらに本作では「父殺し」と「ギーク」が強調されている。エンドタイトルはスターダストが流れる。
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