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ナイトメア・アリーのmのレビュー・感想・評価

ナイトメア・アリー(2021年製作の映画)
3.5
ギレルモ・デル・トロ監督はストーリーを上手に作られるなぁ、と何様感溢れる感情を持った作品。パズルのピースがぴたりと当てはまるような丁寧で繊細な作りに安心感を覚えた。ブラッドリー・クーパーさんのあの、ラストの表情で飯何杯か食える笑

まずはなによりキャストの豪華さでしょうよ。よく集められたな、流石かよ。ブラッドリー・クーパーさん、(愛しき) ケイト・ブランシェットさん、トニ・コレットさん、ウィレム・デフォーさん、(最初誰だか分からなかった)ルーニー・マーラさん。画面が豪華。素晴らしい。有名監督の作品を観るひとつの理由として、やはり豪華な俳優を集められるというのがある。画面をこれでもかってくらい豪華にして演技力でたたみかけて欲しい。キャストで殴りつけてくるくらいの映画が見たい。今作は私の願望を叶えてくれる映画だった。

今作はブラッドリー・クーパーさんが演じたスタントンの転落人生をひたすら見るだけの作品。なんだけど、そこはデル・トロ監督。丁寧に緻密に描いているおかげで必然の転落になんだかほっと安心してしまった。

人は何か特別なものになりたい生き物だと思う。多かれ少なかれそういう感覚にとらわれる。その時に誰を信じ、なにを信念にし、どう生きるかが問われているように思える。
前半スタントンがどう芽吹くかを丹念に時間をかけて描き出し、後半残酷なまでに嫌な男として描く。伏線も綺麗に張った監督は見事だと思う。

今作は上記に書いた通り、豪華なキャストだったが、演技合戦というものでは無かった。それが少しだけ物足りなかったのだけど、ラスト、ブラッドリー・クーパーさんが魅せて下さって。まぁ、あのラストの表情はくるものがあって、今作はどこまでもスタントンが主役だったなぁと思わせてくれた。
リリス(ケイト・ブランシェットさん)とスタントンのやり取りも、スタントンの深層心理に問いかけるもので、やはり一貫してスタントンを追っている。

キャラクターの描き方もストーリーの展開もこんな一本筋が通っている作品は久々。美しささえ感じる。

ケイト・ブランシェットさん今回も妖艶でした。ありがとう、大好きです笑
冷徹なリリスに対比してモリー(ルーニー・マーラさん)の華麗さでこちらもデル・トロ監督上手いです。

あー、ブラッドリー・クーパーさんのあのラストの表情良いなぁ笑
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