父親を殺したいほど憎む。逆に言えばつまりそれほど愛されたかった存在を、自らの手で消してしまった。スタンの破滅への道はそこから始まっていたのではないかな。
絶対に飲まないはずの酒も飲んでしまうツメの甘さ。スタンの内面に欠落しているものを、リリス博士は見破っている。そして見事に利用されてしまった。恐ろしくも美しいリリス博士を、ケイト・ブランシェットが見事に演じているところも必見だった。
ラストの衝撃にゾッとしつつも、スタンが自ら選んだ道ならしょうがないとさえ思ってしまった。俺がやったことは俺ががちゃんと見ていた。カエルの子はカエルなんだ、それ見たことか。と、ホルマリン漬けの胎児エノクも言っているようだった。