とても首尾一貫していて、わかりやすいストーリー。すごく読みやすい本をサクサク読んでる感じで、ラストなんて逆に「でしょうね」としか言いようのないもので、デル・トロ作品ってことでフリークスやら宇宙人やら出てきてワチャワチャと思ってた自分的にはちょっと拍子抜けでした。
でも、だからといってつまらないわけじゃない。ブラッドリー・クーパーは相変わらずうんざりするくらいカッコいいし、ルーニー・マーラは糟糠の妻感がスゴいし、ケイト・ブランシェットは圧が凄い(笑)ストーリーが読みやすい分、集中も良い意味で切れないし。
ただ、ケイト・ブランシェットの目的や抱えていたコンプレックス、主人公のNever酒飲まないの意味や、父子関係・母子関係、上昇への過剰な執着の動機については仄めかしのみで、明示はされず。
この作品、全てをあからさまに見せてるようで、肝心なところはチラ見せ、みたいな意地悪なところがあり、それが監督のこだわりなのかな、とも。
まあ、演者の演技合戦を楽しむような内容でもないし、ストーリーを深読みするようなものでもない。ガワは豪華なんだけど、中身は…という感は否めませんが、単層的な作品もたまにはよいのでは?という感じですかね。