MCらんた

マーベルズのMCらんたのレビュー・感想・評価

マーベルズ(2023年製作の映画)
3.0
MCU単独映画に期待してる期待値ちょうどくらいの面白さだった。「最近のMCUは~」ってよく見かけるけど、本気でヘロヘロなドラマはともかく、いやいや映画の方はアベンジャーズ系の集合タイトルとスパイダーマンとかの何本かのアタリ除けばずっとこんなもんだっだでしょ。
少なくとも「キャプテンマーベル」1本目よりはだいぶ良かったと思うけどな・・・。「ブラックパンサー」も「ドクターストレンジ」もMCUが「良い良い」言われてた頃の1本目の方がよほど退屈で、単体としてならどっちも最近の「2」、ソーだって「3」が良過ぎただけで「1」「2」よか「4」でしょ。
やっとドラマが初出のヒーローが映画に合流してきてマルチバースサーガも3年経目でやっとユニバースの意味がある作品が出て来た。最後にケイト・ビショップが自虐してたけど、チンタラやり過ぎでヤングアベンジャーズがヤングじゃなくなっちゃうよ。

でも映画としてはかなり歪、歪というか「ストレンジ2」でも「ブラックパンサー2」でも「ソー4」でも思ったけど、箱書き的に要素を箇条書きにして情報を並べたらどれもキャラクタードラマとしてとても"美味しい"のに、作品全体に推進力が無くて1本の映画にしたら微妙な感じ。
主役3人のヒーローが共に光属性由来だと発覚して、そこにリンクが発生し、バングルが媒体になって・・・というフックなら、普通はその光パワーの由来やバングルの謎に迫るストーリーになりそうなのに、そこは今後の「MUC」の為にとっとかなきゃいけないので、常に有耶無耶で煙に巻かれてるような物語
「独裁AIを破壊したらかえって戦乱を招いてしまった」「親友の娘との再会」「自分を慕ってくる後輩ティーンヒーローとの関係で融解のきっかけを得る」あたり大筋自体は、強すぎて話が作りにくいだろうキャプテンマーベル主役で作るにあたっては、上手い捻り出しだったと思う。
気まずい3人のヒーロー珍道中に
まぁスクラル人が難民どうこうはフィクション内の疑似問題だからどうでもいいんだけど、少なくとも同じユニバース内で同じ問題をポリティカルフィクション風に描いちゃった「シークレットインベージョン」の価値は無茶苦茶投棄したよね。もともと無かったけど。メディアミックスの弊害が出てる。しては敵の設定が(宇宙人とはいえ)難民紛争問題で重すぎるし、重い敵を扱うにはヒーロー側のノリが軽すぎるし、でもこのチグハグさが上手く機能すればアメコミの面白い部分なんだろうな

スクラル人とクリー人がどうとかは別にどうでもいいと思う。ヴィランのダー・ベンがなんでもなさ過ぎる。主人公のキャプテンマーベルのカウンターパートにまったくなってない。今回なら孤独さとか弱さとか、主役の方の3人マーベルから逆算して対比するポイント設定すべきだったと思うんだけど。
カマラが母親に始めてヒーローとして認められる下りがあるんだけど、積み重ねが全くない。むしろこの映画自体、いっそカマラを主役にしてオリジンから描く方が本来に思えるんだけど、そっちはあの本当につまんなかったドラマでもうやっちゃってるし、メディアミックスの弊害が出まくってて嬉しい(?

あと今のMCU、観客側に世界観の背景情報をいたずらに伏せたがる意味が分からない。「マーベルズ」も観客側によく知らされてない地球防衛組織にお馴染みのキャラクター達が所属していて、そのよく知らない組織が知らないまま壊滅したけど、よく知らないものがピンチでも、よく分からない
「ワンダビジョン」でモニカ・ランボーがスーパーパワーを得るくだりあんまりにもおざなりじゃないかと思ったけど、「マーベルズ」でもとくにそのあたりはフォロー無くヒーローになってたから・・・本当におざなりな流れでヒーローになったな!と思った。魔女の結界を無理矢理に突破しようとしてたらスーパーパワーが身についてた・・・もうひとつくらいは要素が欲しい。
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