回想シーンでご飯3杯いける

マーベルズの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

マーベルズ(2023年製作の映画)
2.8
キャプテン・マーベルことキャロル・ダンヴァースと、MCU新世代とも言える若い女性による、日常生活をベースにした世界観は、とても好み。特にドラマ「ミズ・マーベル」の主人公だったカマラ・カーンは、パキスタン系のアメリカ人でヒーロー・オタク。女子版ピーター・パーカーといった感じで、ごく普通の若者として描かれているのが非常に好印象だ。

3人の女性ヒーローがトリッキーに入れ替わってしまう現象は、目新しくて楽しいものの、結果的に3人が同じ場所に集まる機会がなくなってしまい、せっかくのヒーロー集合物なのに、それが画としてなかなか実現しないもどかしさが残る。

いざ、3人が集まってからも、何故か横一列に並んで口上を語るシーンが多く、会話劇としての面白みが足りない。全体の雰囲気はコメディなのに、実際の脚本がコメディとして成立していないのだ。これは一体どうした事だろう?肝心のアクションも、手から光線を出す系の技ばかりで、派手さはあるものの躍動感に欠ける。

総じて言えるのは、3人の女優としての魅力に頼り過ぎている感が否めないという事。ストーリーが分かり難いのはDisney+で配信されているドラマを見ているか否かの問題ではなく、MCUが劇場公開オンリーだった時代から続くキャラクター頼りの作風にあるのではないか? シリーズの知識ではなく、広く様々な映画を観ているような人達が楽しめる作風を目指してくれる事を切に願う。