よしまる

マーベルズのよしまるのレビュー・感想・評価

マーベルズ(2023年製作の映画)
2.9
多忙でご無沙汰してまいました〜。

数々のMARVEL映画を観てきたのだけれども、劇場にて鑑賞時に2点台を付けたのは初めて。で、忙しくしてるうちに配信が始まったので念のため再見したものの、評価は変わらず🥲

ディズニー+でしか観ることの出来ないドラマシリーズ、「ワンダヴィジョン」に登場したのは前作のキャプテンマーベルではまだ子供だったモニカランボー。

リアタイで見てた時はすっかりシットコムのパロディと思っていたのがどんどんシリアスなドラマになって、そこへ現れたMCUメンバーだったのでまあまあ驚いた。
しかしそんな登場の仕方をしたキャラを、ドラマ当然見てるよね前提みたいに映画に出されてもそりゃついていけないし、じゃあ今から「ワンダビジョン」観るためにディズニー+に加入しようとなるかってーと、あんましならんよね。てか、本作観てそうなるくらいに魅力のあるキャラクターになってほしかった。

一方「ミズマーベル」。約10年前にコミックに登場したムスリムの少女カマラが変身?するヒロイン、初の実写化はなんとコロコロした体格に太眉のおよそ原作とは似ても似つかぬ姿。

極めて個人的な意見であることは承知のうえで、全話観ても一向に思い入れることが出来なかった。
やっぱりヒロインたるもの颯爽と現れて軽やかに闘ってほしいモノ。
ドタドタとしたアクションは、愛嬌こそあれどカッコ良くて痺れる〜てわけにはいかない。なので、劇場で観たい!とまったくならなかったのがまず悲しい。

(追記 ミズマーベルはこうじゃなくちゃというのはアニメの「MARVELライジングシークレットウォリアーズ」を観てみて!)

そうした不安を抱えたまま、つまり魅力の薄い2人を従えてのキャプテンマーベルがどう立ち回るのかが焦点となった。

結果、なんということだ、3人の絡みがまるで機能しないし、物語としてもわざわざ別シリーズを何話も費やして描いてきたにもかかわらず、別に知らなくてもよい程度にしか伏線回収もなければキャラもたいして立ってない。

この「知らなくて良い」というのはなかなか厄介で、「知っていても知らなくてもどちらでも良い」というのと「知らなくても問題ない」というのは実は全然違う。
前者は「知ってればめちゃ楽しいし、知らなくても楽しめるように配慮して作っているよ」であり、後者は「知らない人がいるからこのへんにしといたろか」。本作はまさに後者だ。

ドラマを観ていない人にとって突っ込んだ話をしても分からないだろうから、最低限説明責任を果たしておいてあとは好きにやろうみたいな作りに見えてしまったのはなんだろう。
キャラクターというのは設定だけ説明すればそれで好きになってもらえるような、そんな生易しいものではない。
もしそうだとしたらピンで映画になるほどひと目でねじ伏せる圧倒的な魅力が必要なはず。例えばスーパーマンvバットマンに客演したワンダーウーマンや、アイアンマンにおけるブラックウイドウのように。

日本版の予告編ではキャプテンマーベルの続編であることばかりが強調され他の2人はほぼ黙殺されていた。なにをか言わんや。

孤高の戦士であるキャロルダンバースが仲間を得てわちゃわちゃと特訓したり、なんとパクソジュンとドレス着てダンスしたりと想像しえない場面が連発するのはそれなりに楽しい。でも、それだけ。

ヴィランの動機や目的も弱いし畏怖感も薄い。ニック・フューリーやスクラル人もモブ。唯一楽しい「グースとフラーケンの仲間たち」は、ニャン好きにはそこだけでも見る価値があるけれど、オマケを観に行ってる訳じゃないのでw

入れ替わりの面白さも戦闘に生かせたとは言い難く、わざわざマーベル「ズ」と銘打った割には、かつてのアベンジャーズのようなヒーローチームとしてのケレン味も全然足りない。

とまあ文句ばかりで、もっと気軽に楽しめばいいんじゃ?と思わなくもないのだけれど、Disney+でドラマを追っかけてる身としては、そんだけ観せられて映画がコレ?という不満を申してもバチは当たらないだろう。

マルチバースを引っ張ってポストクレジットで胸をザワつかせるのもいいけれど、そんなものはあくまで作品を楽しんだ上でのご褒美であるべきで、そこしか楽しめないのはやっぱり残念。

MARVELの迷走はいつまで続く?