眼に、耳に触れ
心に去来するもの
2020年 上田義彦監督作品
藤、椿、つつじ、紫陽花、牡丹、松、笹、すすき…
春夏秋冬、四季折々の花たち
金魚、蜂、カマキリ、蛙、蜘蛛、蝶、蝉、ヤモリ…
家屋の周りに棲む生き物たち
着物、たすき、座布団、おりん、団扇、竹箒、麦わら帽子…
日本情緒を感じさせる物たち
遠く海の波音、セミの鳴き声、玄関の引き戸のガラガラ音、お茶を注ぐ音、落ち葉を掃く音…
郷愁を感じさせる音たち
絹子、陶子、渚、渚の母…
椿の庭の家に暮らした女たち
「この家が好き」
「記憶は、場所や物に宿る」
生涯をこの家と伴にした絹子さん
その生き方と逝き方が印象に残る
空から降る雨、空に浮かぶ入道雲、空に架かる虹、夜空の静寂…
「ただいま」
「おかえり」
「おやすみ」
変わらない天の運行の下
種を蒔き、草を取り、花を摘み、枝を切り、落ち葉を掃く…
地(庭)の手入れと衣食住
人の営みは、引き継がれ、繰り返されてゆく