TaiRa

さよなら、私のロンリーのTaiRaのレビュー・感想・評価

さよなら、私のロンリー(2020年製作の映画)
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ミランダ・ジュライの映画初めて観たけど、何とも言えん奇妙な映画だった。

生まれた時から泥棒の両親に盗みだけ教わって来た女性の解放への道程。ディティールが一々変わってて不思議ちゃん映画そのものなんだけど、大事な部分は真面目に撮っててそれが可笑しい。定時に泡漏れするオフィスに寝泊まりとか、地震を異様に怖がるとか、どういう発想なのかよく分からない。エヴァン・レイチェル・ウッドの謎の身体能力の高さがギャグになってるのもウケる。ジーナ・ロドリゲスが入って来てから展開される、心の繊細な動きみたいなものは、光の演出を用いて丁寧に描写する。ラブシーンとして演出されるネイルの場面やダンス?の場面なんかの光はビックリするくらい正攻法。エミール・モセリの音楽も良いし。地震直後に生を謳歌する手持ちワンカットの場面も光が美しい。死んだと思い込むくだりのシュールな笑いはやっぱ独特。洒落てるオチの付け方とかは、ジュライの小説家の側面が強く出た感じもあった。家族や他者へ依存する女性の解放がメインで描かれるが、それをエヴァン・レイチェル・ウッドが演じているのは意図的なキャスティングなんだろうと思う。彼女のパーソナリティから遠くない役になっているし、だからこその優しさが全体に通底する感じもした。まぁ変な映画だけど。
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