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情婦のNのレビュー・感想・評価

情婦(1957年製作の映画)
4.8
誰も文句言えない傑作映画観てしまった…

ストーリーはもちろんのこと、登場人物が味わい深くてとても良かった。

特に主人公の弁護士は、酒タバコにだらしない でっぷりと太ったおじさんなのだが、お付きの看護師に憎まれ口を叩きながらも折れるところが可愛らしく、でも弁護士としては真っ当で、被告に対して真摯だし法廷ではめちゃくちゃ頭がキレるというのが超かっこいい。そしてとても耳障りの良い声色をしているのも良い。
看護師女性にもどんどん愛着が増していく。最後の肩を組むシーンは最高。
そして夫人も大変魅力的なのですが、語るとネタバレになるので控える。。

ストーリーについて。個人的には過去見てきた法廷モノやドンデン返しで有名な作品どれと比べてもここまでやられた!と思ったことは無かったです。是非前情報入れずに観て欲しい作品。

ちなみに証拠人探しや文献漁り、検察側との軋轢みたいなものが描かれる骨太法廷映画とは異なるのでそういうの観たい方には物足りないかも。

白黒映画だし、正直序盤は身が入らなかったのですが、裁判開始から一気に加速して面白くなっていきますので是非…!

アガサクリスティは言うまでもなく凄い作家さんですが、原作にかまけることなく演技も脚本も演出も手を抜かずに作られていて超超凄い作品でした。
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