荊冠

情婦の荊冠のレビュー・感想・評価

情婦(1957年製作の映画)
4.5
アガサ・クリスティの短編『検察側の証人』が原作。個人的に好きなモノクロ映画では1、2位を争う『サンセット大通り』の監督ビリー・ワイルダーの作品なので嬉嬉として見たが、期待を裏切らない面白さだった。
人物の動きに乏しい裁判シーンでも全くダレないのは、登場人物それぞれのキャラクター性が立っているからだろう。医師の言うことを聞かず、ココアをウイスキーに摩り替えたり、葉巻を吸ったり、弁は立つが注射な苦手だったり、老獪な弁護士・ウィルフリッドのどうにも憎めない奔放なキャラがとても良い。
付き添い看護師を演じたエルザ・ランチェスターは、ウィルフリッドを演じたチャールズ・ロートンの実の妻。
氷のような美貌と炎のような情愛を併せつクリスティーネを演じたマレーネ・ディートリヒに見とれる。
荊冠

荊冠