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ファーザーのmsyのネタバレレビュー・内容・結末

ファーザー(2020年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

泣いたよ…
お母さん、お母さん
って思っちゃった私も。

誰も悪くないやんね。
アンソニーホプキンス、アカデミー賞納得だよ。
めちゃくちゃよかった。

これは痴呆のファーザーに見えている
景色なんやなと思って、
そういう目線でこの映画を追うと、
アンの服や家具とかのインテリアをヒントに
謎解き感覚を楽しめる。
目まぐるしい時系列シャッフルにも意味がある。

でも最後まで観て、
実はファーザーずっと病室におって、
今までのは全部
記憶の走馬灯なのかな…
と想像すると、え、悲しい思い出しか
なかったやん…てなって、切なさが増す。

キッチンにいるアンが何度も出てきますが
序盤で一度、古いキッチンの姿がありました。
それ以降は、おそらくリフォーム後の
現代風キッチン。
台所の前にいるお母さん、もしくは亡き妻の
イメージかな、とか、
そもそもオリヴィアコールマンの顔が
そのいずれかなのかもしれない。
ひたすら玄関、廊下がじっと映し出されたり、
痴呆の混濁した記憶の中にも
限定的なこだわりが
あるのだなあと想像させられます。

自分も死の間際の床では
実家の古い台所を思い出すとか、
めちゃくちゃありそう…

切なさしかない話なのだけど
ミステリーみたいな展開とテンポの良さで
ひたすら面白くて
何度でも観たくなる。
訴えたいことが明確だけど
道徳の授業ではなくてあくまでもエンタメ。
すごい!
msy

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