おじいさんのアンソニーは娘と静かに暮らしているのだが、恋人とパリに引っ越すと告げられてしまう。そしてふと気付いたら見知らぬ男が自分の家のお気に入りの椅子に座っている。彼は娘の夫らしい。結婚してなかったのに？しかも結婚して10年以上？どういうこと？そして帰ってきた娘…も、さっきと全然別人ですけど？何が起きてる？みんなでワシを騙そうとしとるんか？な話
コロナ禍で劇場で見れなかったやつを配信にて。みんながやけに「怖い」「ジャケで騙される」と言ってる意味がわかるくらい、最初の20分がとにかく恐ろしすぎる！！認知症のおじいさんが全てを忘れていく過程を「おじいさんの主観」で描いてるので、時間の認知、空間の認知、人物の認知が全くぐちゃぐちゃになって認知症を追体験できるという演出がすごい！混乱しまくるし、みんなで寄ってたかって自分を騙そうとしてると思い込んでいきなりキレて叫んだりするのもうなづける…そんな非常に巧みな構成でした。怖いし、悲しいし、感情移入しまくって泣ける…
アンソニー・ホプキンスも演技が凄すぎて、80代にしてアカデミー賞主演男優賞をはじめ色んな賞取るのも納得。しかも役名もアンソニーだし、劇中で答える誕生日も本人と同じ（曜日まで）だったし、もしやこの演技を通して「来たるべき日」に備えてるんじゃないか？いやもうあれは既に素なのか…とすら錯覚しそうでした。アッパレ。敬具
