このレビューはネタバレを含みます
いろんな意味でショックを受けた作品。役名が『アンソニー』なのはやっぱり意図的?
他人事ではない。介護する側になるのも、される側になるのも。
小説における『信頼できない語り手』のイメージ。何が現実で、何が妄想なのか。娘の顔は?妹は?夫の顔は?娘はそもそも結婚してる?娘はパリに住む?時系列がぐちゃぐちゃに絡まって、自分が今フラットにいるのかさえ曖昧になってゆくさまが恐ろしい。認知症の疑似体験。でもラストシーンの『すべての葉を失っていくようだ』のセリフは認知症を自覚したがゆえのそれなのだろうか。
腕時計、フラット、太陽、葉っぱ。