コボルト

ファーザーのコボルトのネタバレレビュー・内容・結末

ファーザー(2020年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

設定、あらすじを知らずに。

SFミステリーのような入り。いつのまにか人が家にいて、人々の容姿も変わり、時間軸も飛んでいく。
認知症の父親から見た世界が映されている。

実際にどこまで忠実に描かれているのかはわからないが、毎日が異世界で、誰もまともに対峙してくれず、やがて何も分からなくなってしまう。

今までの認識では当人は忘れているだけで、それに対処する周りの大変さが大きくみえていたが、
今回は周り以上に当人が相当苦しいようにみえる。
感情を伴って、本気で自分が正しいと思っている分、確かに苦しいだろうな。

記憶の回遊で結局強く印象に残っていることが、現実と重なったり、幻覚のように見えてしまう。
子供のこと、家のこと、娘の夫?、受けた暴力?

父と娘の深い情の穏やかなストーリーだと想像して見始めたので、驚きはした。
面白かった訳でも、良い映画だった訳でも、そのどちらの逆という訳でもなく、現実を置いて行かれたような感覚になる作品だった。


ラストの子供のように泣き、マミーをご所望のシーンは結局そうなってしまうかという感じ。
アンソニー・ホプキンスがマミー&クライングになってしまうので少し笑ってしまった。
実際なられたら辛いだろうな。
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