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フランクおじさんのganaiのレビュー・感想・評価

フランクおじさん(2020年製作の映画)
3.5
1970年代サウスカロライナから尊敬するフランク叔父さんが教鞭を取るNY大学に進学した姪のベスを通してフランクのセクシャリティに起因する葛藤を描いた作品。

成り行きでフランクがゲイでサウジアラビア出身のパートナー(ウォーリー)がいる事を知らされ戸惑うベスなのだけど、フランクの父(ベスの祖父)の急死で葬儀のため故郷に向かう事になり、その車中で彼女とウォーリーが仲良しになっていく中盤のロードムービー的な展開が良い。

フランクのセクシャリティを知っていて彼を嫌っていた父が死後になっても彼を侮辱する残酷な仕打ちがショッキングだけど残された家族の多くが彼とウォーリーを受け入れる展開に救われる。

70年代のアメリカ南部だとなかなかあの様にはいかないだろうけど、本心では理解し難いけど「大事な兄貴だから受け入れるよ」という態度が顔に表れてる実弟(ベスのお父さん)と、あからさまに嫌悪を示す姉婿の反応がリアルに感じた。

ポール・ベタニーは「アベンジャーズ」のヴィジョンの演技しか知らなかったけど穏やかで知的な雰囲気が良かったし、ベスを演じた「IT」のソフィア・リリスもちょっと時代の先を行く女の子の役と相性が良い。

ウォーリー役のピーター・マグディッシュの情報が無いのだけど彼も親しみやすい雰囲気がとても良かった。
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