空海花

ジャニス・ジョプリンの空海花のレビュー・感想・評価

ジャニス・ジョプリン(2018年製作の映画)
4.0
元祖・音楽フェスティバルの女王にしてロックスターのレジェンド、ジャニス・ジョプリン。
孤独や心の痛みを強く、たくましく歌い上げる「世界最高の倍音」
彼女の歌声がその舞台に甦る。
松竹ブロードウェイシネマ♪
1週間の限定公開がやってきた⭐

監督(シネマ版)デヴィッド・ホーン
脚本・演出(舞台版)ランディ・ジョンソン

ジャニス役はメアリー・ブリジット・デイヴィス。
トニー賞ミュージカル部門最優秀女優賞にノミネート、他42賞以上のアワードで受賞・ノミネートされている。
これ以前もジャニス役を多く務めていて
まさに彼女のDNAという感じ。

ジャニスはあまり聴き込んでいないけれど、有名な曲は知っていて
彼女の映画は『ジャニス:リトル・ガール・ブルー』『フェスティバル・エクスプレス』を映画館で観ている。
ストーリーもなく、曲をあまり知らないと楽しめないかもという心配で迷ったが、選んだのは〈松竹ブロードウェイシネマ〉がもう地元に来てくれなくなったら悲しいという思いもあった。

ハスキーなのに物凄い声量で
情感に溢れた唯一無二とされる歌声。
メアリー・デイヴィスの歌声はそれを引き継いだような、素晴らしい爆音で、
冒頭から感動して心配が吹き飛んだ。
早口で語るような部分とか、
かなり再現されているように感じた。
(違うと思うファンの方がいたら、ごめんなさい)

彼女が語る自らの物語と共に熱唱される歌と
彼女が影響されたレジェンドたちとの幻の共演という趣向。
アレサ・フランクリン、エタ・ジェイムス、オデッタ、ニーナ・シモン、ベッシー・スミス。
特にアレサ・フランクリンとの歌声のぶつかり合いは極上のセッションで
観客の熱狂も相まって、震える。
演奏も良くて、ギターやホーンがいい♪
さすがブロードウェイ、レベルが高い。
ただ、確かに他の方はあまり聴いていなかったので、
すべてに共感できたとしたらもっと凄い感動があったと思うので、そこは残念。
『アメイジング・グレイス/アレサ・フランクリン』でも、名曲が全く別物になると思ったが、その意味ではジャニスも負けてはいない。
ウエスト・サイド・ストーリーのエピソードからの「サマータイム」
「ダウン・オン・ミー」
「ピース・オブ・マイ・ハート」
「リトル・ガール・ブルー」
「クライ・ベイビー」
「ミー・アンド・ボビー・マッギー」
「メルセデス・ベンツ」…etc.
エンドロールも締めに歌ってくれるのがいい♪

彼女の笑顔や曲には包容力があって
メアリー・デイヴィスからもそれを感じられたような。
私生活の苦しさとか何だか信じられない
悲しい最期を早くに迎えてしまうなんて

帰りはCry Baby~♪が脳内リピートしていた。


2021レビュー#141
2021鑑賞No.304/劇場鑑賞#45


その後、別の映画館で『アメリカン・ユートピア』の予告編を観た。
ライブ映像という意味では、やっぱりカメラはアメリカン・ユートピアの方がいいなぁ。
今後の基準になりそう。
空海花

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