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キネマの神様のkamakurahのレビュー・感想・評価

キネマの神様(2021年製作の映画)
3.5
原田マハの原作を大きく脚色変容させた、今年卒寿を迎える山田洋次監督の未曾有の現況への強くて深いメッセージとして受け止めました。
台詞の言い回しはいささか前時代的ながら、全篇これぞ山田調本寸法と評すべき仕上がり。松竹大船撮影所へのオマージュに溢れ、手土産が鯵の押し寿司だったり、横浜帰りにはシウマイ弁当だったりと何気ないディティールが嬉しい。終盤の寺島しのぶ扮する愛娘歩の代読シーンではハンカチ必至で、北川景子の原節子を重ねたキャストデザインや、城戸賞の木戸への置き換えも納得。主演の菅田将暉は、山田組の枠内で好青年ぶりを好演だが、志村けんを引き継いだ沢田研二は、やや故人に寄せ過ぎでもっとジュリーでよかったんじゃないかな、という印象でした。観終わって、山田監督は、ほぼ同世代のウディ・アレンをずっと意識してたんだろうなと妙に首肯されたことでした。
#キネマの神様#菅田将暉#山田洋次
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