カズザク17

キネマの神様のカズザク17のレビュー・感想・評価

キネマの神様(2021年製作の映画)
3.5
原作とは別物。観る前からわかっていた事なんだけど、予想の遥か上を行く別物感に戸惑いを感じる。これだけ違うのなら、登場人物やその設定を微妙に原作と重ねるのではなく、完全な別物として作って欲しかったと思う。
主人公が若かった頃…映画作りに打ち込んでいた頃の物語は、今程洗練されたセンス・技術はないものの、泥臭く活気がある映画作りの雰囲気を味わえた。そこに、淡く切ない恋愛事情が重なり、楽しませてもらった。「私が幸せになるのではなく、私が幸せにする」「どちらの後悔を選ぶのか」に、グッと来た。
主人公の今の物語は、主人公の映画好きがあまり伝わってこず、少し物足りない…消化不良って感じで終わった。若かった頃の物語が◎、今の物語が△、映画全体が△寄りの○って感じ。原作が非常に面白くて、期待が高かっただけに、少し残念感が残る映画だった。