からかす

キネマの神様のからかすのレビュー・感想・評価

キネマの神様(2021年製作の映画)
2.0
正直山田洋次的な台詞回しだったり
山田洋次的な家族観があんまり合わない。
女性はあまりに滅私過ぎるし
何より主人公は不器用と言えば聞こえはいいけど
実態は割とマジでクズでどうにも。
しかもかつて映画監督できなかった経緯も
不慮の事故でやむなく…というならまだしも
結構自分勝手な理由というのが共感をしづらい。

それでなくとも主人公が作りたかったのは「映画」ではないのか?
劇中彼が成し遂げるのは映画のほんの一部ではないのか?
映像・音楽・役者・脚本、色んな物が揃っての「映画」であり
「映画」を作れてない以上彼にキネマの神様が微笑むことなんてあるのか?

割と致命的なのは劇中独創的なアイディアと評される
彼の脚本の中の肝となる部分が
現代映画界においてはかなりありふれた物というのが
作品の納得性を大きく損ねていると思う。

沢田研二は頑張ってはいるもののちょっと二枚目過ぎる。
誰のせいでもないけど、この情けない主人公には
志村けんがより良かったなあと改めて痛感。
RADWIMPS野田は想像よりずっと良かった。
ある種特殊な色合いの山田洋次監督作というのも合っていたかもしれない。
からかす

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