LEO

キネマの神様のLEOのレビュー・感想・評価

キネマの神様(2021年製作の映画)
3.2
コロナにより撮影は中止を余儀なくされ、志村けんと言う主役のひとりまで失ったものの沢田研二がその意思を引き継いだお陰で完成まで漕ぎつけた松竹100周年記念の作品。

ストーリーは『今夜、ロマンス劇場で』のモチーフそのままじゃね?とも思ったが、全体を通して観れば日本版『ニューシネマ・パラダイス』と言ったところか。
劇中映画も監督は小津安二郎、作品は「東京物語」、主役女優の北川景子が原節子。
「昔の映画業界って、こんなに映画好きばかり集まって熱かったんだぜ!」と言われてるみたいだった。

ただ正直言えば、このゴウと言う役に沢田研二は合っていないと思う。
志村けんに当て書きされた役が、タイプも声質も全く違う沢田研二に務まる訳がない。
もっと言えば外見は年齢通りに70代を超えているものの、声だけはジュリーのままなんで非常に違和感を感じる。
でも山田洋次監督が沢田研二を選んで何をやらせたかったかはよく分からないが、当然その辺の評価は想定の範囲内だろうし、沢田研二も決して志村けんのモノマネでなく主人公ゴウを演じていたと思う。

同じ事務所の先輩・後輩で仲が良く、『8時だョ!全員集合』で共演した2人の大スターの漢気を感じてみるだけでもいいんじゃない?って感じだろうか。
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