pon

キネマの神様のponのレビュー・感想・評価

キネマの神様(2021年製作の映画)
2.0
なんか、若き日のゴウ君と現在のゴウ爺とが、性格的に繋がら無くてモヤっとする。菅田将暉も沢田研二もそれぞれ素晴らし演技だったと思うんだけど…。若きゴウ君にはギャンブルと酒に溺れそうな危うさを匂わせるシーンや演出があって欲しいし、ゴウ爺には孫にそそのかされるんでは無く自発的にシナリオリライトに夢中になるエピソードが欲しかった。よしこちゃんも若い時の芯のある部分が垣間見えるシーンが、よしこ婆ちゃんにも有れば、ちゃんと過去と現在が繋がっている様に観れたのに…只々優しい甘いだけの人になってるもんな。年老いたら人間変わるからって考え方も有るかもだけど、映画としては物足りない。
これらは、演技の話しでは無く演出又はシナリオの問題かと…。
超大御所監督の作品で、様々な大人の事情が介入する事も少ないと思うので、やはり山田監督の老いを感じてしまう。
寅や家族は辛いよシリーズではシリーズであるだけに、各キャラについて、“あ〜この人はこ〜ゆ〜事言うしやるよね〜“ってなるんだけれど、単品作品では充分表現出来ないのかもしれない。
あと不満なシーンとか設定がいくつか…。
◎よしこちゃんの“鈍感!”からのゴウ君のリアクション…マジか?それまでにゴウ君も実はよしこちゃんの事が…ってシーンあったっけ?
◎ゴウ爺の娘、性格破たん?縁を切りたいほど近親憎悪してたのに、代読スピーチであんなに“良きムスメ”を演じててキモい。しかもあんな薄っぺらいスピーチ原稿で。家族に宛てた非公開のお手紙なら泣けると思うが…家族との和解が示される1番の盛り上がりシーンで、あのスピーチとは…。男はつらいよ劇場版1作目のヒロシ父のスピーチは何回観ても泣かされるのに、あの頃の山田洋次は何処に?
◎新型コロナで皆大変な思いをしたし、予定していた志村けんさんはお亡くなりになるしでエピローグに盛り込みたい気持ちは判るけど、あれだけの規模の劇場が従業員も複数人いて70万で助かるとも思えない。
でゴウ爺の借金は30万でなんとかなったのか?冒頭で借金取りに結構な金握らせてもまだ足りないって言わせてたよね?闇金だったとしても納得いかん感覚が残る。ディテールが雑。
◎山田監督、小林稔侍の事よく使うよね。決して上手い或いは器用な俳優ではないと思うのだが…起用の仕方次第で素晴らしい俳優と思うが、山田監督作品にでてくる小林稔侍はどうも好きになれない。言ってもしかたないが若き頃の高倉健まわりでチンピラ役やってた頃の小林稔侍のギラついた感じはとても好きだった。同じようにギラついでた室田日出男は晩年様々な役が嵌まる名バイプレイヤーになってたのに。

悪口雑言罵詈讒謗が過ぎました。
好きな監督、好きな俳優達の作品だっただけにこんなハズでは無かったでしょって思いが止まらなくなってしまいました。
この作品が好きな人には、不快な思いさせるレビューで申し訳有りません。🙏😔
pon

pon