apapatti

監視資本主義 デジタル社会がもたらす光と影のapapattiのレビュー・感想・評価

3.5
ともすればこれはこれで先鋭的になりそうな警鐘だけど、かなりバランス感を考えて作られてるように感じる。

人の興味関心を採掘してお金にかえる、利益主義である以上そこに最新技術が投じられ、人をスマホから離さない。

いや,これはマジでそうだなと思っていて、目的はないけどとりあえずスマホをいじろう、という欲って実際にあるよな、と振り返った。

それは、「スマホをひらけば何かがある」と思わせる射倖心を煽る技術なのだと説明されると、膝を打つほかない。

こどもの面倒よりもそれは大事なことですか?とか、そんなことより○○すべき、みたいな精神論ではなく、その道のプロに言いようにしてやられているのだと。

SNSは二極化を煽る、陰謀論がある、実際に暴動が起きている、実はこれもフェイクニュースだったぜ、まであるよなぁとか思いながら、それはなかった。

ピザゲート事件(ピザ屋で符号を出した買い方をすると人身売買ができる)みたいな話はどうもマジらしい。いや、これもまたWikipediaでみただけなんだけど。

テック企業の人は自分の子どもにSNSを使わせない、というのも本当にありそう。

他人の評価をダイレクトにに受け取ることができる、1秒おきにフィードバックがくる、そんな時代は今をおいてなく、作中でもz世代は極端にチャレンジを恐れると言う表現がされていた。
確かにめちゃくちゃ手軽に炎上する世の中だもんなぁ。

そして、客観的な評価を主体的に咀嚼する能力を子どもが有してるかと言われると、ここは人には寄ろうが実際かなりハードルが高いものだとは思う。

自分の小学中学の時代とかは、確か水10(ワンナイ)というテレビ番組の全盛期で、なんとはなく学校の話題になりやすく、なんとはなく見ないといけないと思ってた記憶がある。

ただかなりブラックなユーモアやアダルトネタも多く、当時の自分が理解できるネタはあまりなかった。失礼ながら平たく言うと、当日の自分は主体的には面白いとあまり感じられてなかった気がする。(もちろん面白いと感じるものもあったけど、打率がかなり低かった)それなら、名探偵コナンとかテレビ丸見え特捜部、どうぶつ奇想天外の方が見たかったような記憶。いや、それらが面白かったのかと言われると、ちょっと想起できないので自信もないが。

要は流されやすい部分は大いにある。一方で親がそれに干渉するのが果たして…?感はあるなぁ。

自分がおじさんを自認するようになった、というのはある程度大人になった、と自分を扱えるためである。
ここまでくるのに30年かかった。でもそれをショートカットする道筋があったかと言われたらわからないし、大成してるわけでもないので目指すべき像でもなかろうだし。

結論の出る話でもないが、身体性を伴わないものはいずれハックされる、という言説を以前ラジオで聴いていて、それを再確認するすることになったな…

まずは自分の目で見て、血肉になるものを増やす、のが良いのだろう。デジタル的に処理されたものではなく…

聴取後、ドゥドゥーンという音とともに、次の視聴コンテンツがオススメされる、というのが大オチなのでぜひそこまでご覧ください。
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