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監視資本主義 デジタル社会がもたらす光と影のakerueのレビュー・感想・評価

4.0
SNS中毒やそれによる世界の二分化、フェイクニュースの問題に切り込んだドキュメンタリー
作中では過去にテックカンパニーで重役やリードエンジニアを務めたメンバーが今のSNSの問題点について語るパートと、とある家族がSNSやスマホ依存に翻弄される様子を描くドラマのパートが交互に描画される

語られている問題の一番の根元はそのビジネスモデル
我々は無料で便利なSNSを使わせて貰っているが、実は我々自身が広告企業に売られている、これは人類を取引する新しい市場という捉え方は自分の中では斬新で考えさせられる表現だった

そしてこのドキュメンタリーの裏には「シリコンバレーは金になる」と匂いを嗅ぎつけた金持ちたちに対するクリエイター、ハッカーたちの批判も込められているように感じた

この作品を観て、ただ単純に「SNS、テクノロジーは悪」となるのではなく、
今の便利さを維持しながらユーザーがより人間らしく生活でき、企業も健全に成長できる手段はないだろうか?と考えたい

僕らはまだこの情報化社会に出会ったばかり
いまの歪んだ状態を客観的に反省し、良い方へと導けるかが重要になるとおもう

ドキュメンタリーの最後のジョークは思わずクスッと笑ってしまう、シリアスさとユーモアさを併せ持った作品です
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