イチロヲ

Bone(原題)のイチロヲのレビュー・感想・評価

Bone(原題)(1972年製作の映画)
4.5
高級住宅地の芸能人宅に無断侵入した黒人青年が、優雅に暮らしている富裕層の夫妻に対して、怒りと鬱憤をぶつけていく。社会派ラリー・コーエンのデビュー作となる、サスペンス・コメディ。

ビバリーヒルズのだだっ広い住宅地に、黒人の青年がフラッと参上。あっという間に夫妻をねじ伏せると、銀行預金の現金化を強制する。そして、黒人青年と妻が自宅に残り、夫が銀行に出向くという展開になり、その2箇所のパートが同時進行していく。

自宅では青年と妻による丁々発止の衝突劇が繰り広げられ、富裕層も不幸に見舞われていることが暴かれていく。一方、外部に出ている夫は、娘ほど歳の離れた白人女性と出会い、底辺層の日常を目の当たりにする。

夫と妻のどちらのパートにおいても、セクシャリティをテーマにした問答が展開されるため、人種差別問題を含めた「性の解放」が根底にあることは明確。今日にも通じる、絶対普遍の風刺が凝縮されている、とにかくスゲー作品。
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