たいてぃー

ライド・ライク・ア・ガールのたいてぃーのレビュー・感想・評価

3.2
オーストラリア競馬の女性騎手ミシェル・ペインが主人公で、メルボルンカップ制覇を目指しての奮闘を描く、真っ当なスポ根(死語?)もの。
メルボルンカップは日本の競馬でいうと、距離的には同じ3200mの天皇賞・春、国際レースという意味ではジャパンカップ、国民的レースってことでは有馬記念、この3つのレースをひっくるめたって感じの超ビッグレース。日本馬も出走していて、2006年にデルタブルースが岩田康誠騎手で優勝している(2着も日本馬ポップロック)。でも、その後はパッとした成績は無い。簡単には勝てない、厳しいレースってことで間違いない。
ミシェルは、10人兄弟の末っ子で父親は調教師、兄弟と同様に騎手を目指す。父親役にサム・ニール、厳しいけど時には優しいって典型的だけど、さすがに上手い、そして渋い。この父が言っていた「隙間」を見つけて逃すな!通常、競馬ではスペースが開くとか言うけど、何度も「隙間」って言ってたんで、人生訓を含めた文言なんだろうね。
馬が海岸沿いをキャンターするシーンが美しい🐎。不良馬場のダートって感じで足抜きが良さそう。調教としては、うってつけ?
気になったのは、競馬の最中に騎手が、「邪魔するな」等の罵声を浴びせてること。漫画の「みどりのマキバオー」を思い出したが、演出とは言え、やり過ぎかな。
ミシェル役のテリーサ・パーマー。男勝りぶりが嬉しいね。トレセンで馬に乗りたくて、いつまでも待つ、落馬後のリハビリに耐える、そして苦しい減量にも耐える等、ひたむきさがヒシヒシと伝わる。
兄のダウン症にもめげず、調教助手で頑張るスティービー役は本人が演じてる。タイトルバックでhimselfって出てたね。
本作、いい映画で間違いは無いけど、事実をストレートに描くのは悪くはないけど、なんか物足りない。昨今のキツくて過酷な映画を見すぎてるせいかもしれないが、もう少しひねったのがあっても良かったのでは?