真っ黒こげ太郎

グリーンランドー地球最後の2日間ーの真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

4.2
世界崩壊のまであとわずか、その時、何が出来るか!?

家族の為に駆けろ、父親!!!と母親!!!と息子!!!!
(全員じゃん)




彗星の大接近で沸き立つアメリカのアトランタ。
建築技師のジョンは妻アリソンと息子ネイサンと共に平和に暮らしていた。
そんな中、ジョンのスマホにアメリカ政府からのメッセージが受信され、極秘の場所に避難するように指示を受ける。
軍隊が次々配備され、旅客機が一斉に飛んで行く。

そして彗星の破片がフロリダの郊外に落下!!!激しい衝撃にジョン一家は襲われる!!!
アメリカ政府を始め世界中が非常事態宣言を発令、世界中が彗星落下の危機に瀕し大パニックに!!!

ジョン一家は大至急非難用旅客機が飛ぶ空港に向かう、だがそこで巻き起こったゴタゴタでジョンは家族と離れ離れになってしまう!!!

3人は再会の為に祖父の家へ向かう。
パニックによる無法地帯に晒された一家の運命や如何に…。



突然の天変地異で世界が崩壊していく中、平凡な一家が生き残りを賭けて決死のサバイバルに挑む、リアル・ディザスター・パニック。
主演は「ハンターキラー 潜航せよ」や「エンド・オブ~」シリーズ等でお馴染みのジェラルド・バトラーさん。
そして監督は「エンド・オブ~」シリーズ最新作でバトラーさんとラッグを組んだリック・ローマン・ウォーさん。



ジェラルド・バトラーさんの最新作ですが、正直最初にぶっちゃけると同じ日に劇場公開されるハズのフランク・グリロさんのドンパチアクションの方が見たかった!!(涙)
でも近所じゃ何故か公開されない!!!見れない!!!畜生!!!(血涙)


いやだからってジェラルド・バトラー御大のアクション系作品がイヤって訳じゃないですよ!!
正直、バトラーさんが大暴れしまくって天変地異をどうにかしちゃうアクションが優先されるなら「まぁいっか」って思えるんですよ。

でも、監督があのドウェイン・”ザ・ロック”・ジョンソンさんを主演に据えながらも、”平凡な父親”としてロック様をひたすら描いた「オーバードライヴ」の人と知った上に、今作でも主人公が”平凡な父親”ですと念を押されてしまっているので、何かテンション下がってしまって…。

いや確かに「オーバードライヴ」でのロック様の演技は素晴らしかったし、アクション系の俳優が演技重視の映画に出て出来ることを増やすのは良い事なんですけどね、やっぱアクション俳優が主演してるならその人が大暴れしてるのを見たいのが心情じゃないですか。
あっちじゃグリロさんがマッチョボディでアクションしてるのに、こっちのバトラーさんは普通の親父なんだもん…。


そんな”グリロさんの新作を期待してたらそっちだけが公開されなかった話”は置いておくとして(流行に便乗していくスタイルw)兎に角そんな感じであんまり期待はしてませんでした。



しかし、そんなアンニュイな気持ちで鑑賞したんですが、これが結構面白かったです。w
…ボロクソに言ってごめんなさいリック・ローマン・ウォー監督!!!


一応本作のジャンルとしてはディザスター映画ではありますが、災害時のドカスカよりは人間の欲望丸出しな面に家族が晒されたり、家族同士で必死に生き残ろうとするサバイバルドラマがメイン。
災害描写は爆破描写やVFX等も含め良く出来てるんですが、そちらがメインではないのです。

こういう”災害パニック映画を装いながらも人間のドス黒い面に主人公達が晒される”という展開は、個人的にはイーライ・ロスさん制作の「アフターショック」を思い出したりしますね。w
(それ思い出すのもどうなん。w)
ただ、あちらとは違って徹底的にグロくて悪趣味な作品という訳ではないし、絶望的な内容ではなく、寧ろ希望に向けて前進し頑張るようなお話です。

基本は主人公達のサバイバルドラマがメインで安全地帯のシェルターを目指す。
主人公達は政府から選ばれたという事で、楽に助かるかと思いきや息子の糖尿病の所為で飛行機に乗れなかったり、父親と母子がはぐれたり、暴動が起きて飛行機所じゃなくなったりと、非難は大困難を極めます。
オマケに欲まみれな連中にバラバラになった家族が狙われてしまう!!強盗団の一人が見逃したりとかはしてくれますが、それでもハードな状況なのには変わりない。

特に助かる為に母親から子供を引き離し連れ去った一家は死ぬほど腹が立ちました…。
でも、その身勝手一家もちゃんと悪事がバレて一安心。
詳しくは伏せとくが、あの時の息子さんは間違いなく漢だ。w

そんな感じで基本はサバイバルメインの地味目な展開なのですが、全編しっかりした緊張感で描かれてるし、助かる為に家族がそれぞれ奮闘する様も見ごたえがありました。
無論、胸糞展開だけでなく、上記したみたいなスッキリする展開やカタルシスを感じられる展開もある為、ドラマも見ごたえがあります。

主人公チームも徹底的に一般人として描いており、主演俳優4人の演技も良いので、助かるかどうかハラハラしながら見れましたね。
アクション俳優のイメージがあるジェラルド・バトラーさんも今作では人間味のある父親を好演していて好感触でした。


そんな感じで、家族のサバイバル物としては最初から最後まで緊張感を崩せず見入りましたね。
ただ、その分ド派手な災害描写がやや少なめで、絵面程のスケール感や大規模災害感がやや少なめなのは残念でした。

後、話の展開的から、てっきり切なく物悲しいラストを迎えると思っていたら、ポジティブなラストで正直拍子抜けしてしまったところはありましたね。
まぁ、これは単に俺が捻くれてるだけか(爆)自分の捻くれ具合が悲しいね…。w



何か乏したり反省したり捻くれたりして情緒不安定な文章になってしまいましたが(爆)「オーバードライヴ」とは違うベクトルでスリリングで緊張感のあるサバイバルドラマになってて、面白かったです!!!


派手な災害描写やバトラーさんが世界を救う大スペクタクルをお求めな方にはオススメできないのですが、平凡な一家のサバイバルドラマ映画としては十分良く出来た作品なので、興味があるなら是非とも劇場へ。

災害描写が見たいのならプライムウェーブ配給のZ級ディザスター映画でも見なさいよ。(余計にダメだろそれ!!!)