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グリーンランドー地球最後の2日間ーのkuuのレビュー・感想・評価

3.6
『グリーンランド -地球最後の2日間-』
原題Greenland.
映倫区分G.
製作年2020年。上映時間119分。

突如現れた彗星による世界崩壊までの48時間を、普通の一家の目線で描いたディザスター作品。

今作品の彗星は、惑星を破壊する小惑星の地球への衝突を描いた1993年の小説『神の槌"The Hammer of God"』の著者、故アーサー・C・クラークに敬意を表して、『クラーク』と名づけられたそうです。
この小説は、同様の事件を扱った映画『アルマゲドン』、『ディープ・インパクト』に先駆けて発表されてます。

ヘラルド・バトラー、モリーナ・バッカリン、ロジャー・デイル・フロイドがギャリティ一家を演じる。
監督は『エンド・オブ・ステイツ』でバトラーとタッグを組んだリック・ローマン・ウォー。

突如現れた彗星の破片が隕石となり地球に衝突ぅ。
さらなる巨大隕石による世界崩壊まで残り48時間に迫る中、政府に選ばれた人々の避難が始まる。
建築技師の能力を見込まれたジョン・ギャリティ、そして、奥さんのアリソンと息子のネイサンも避難所を目指して輸送機に駆けつけた。
しか~しっ、ネイサンの持病により受け入れを拒否されちまい、家族は離れ離れにぃ。
人々がパニックに陥り、無法地帯と化していく中、生き残る道を探すギャリティ一家が目にしたのは、非常事態下での人間の善と悪だった。。。

ホラー映画の名手(勝手に付けてますが)クリス・スパーリングが脚本を手がけ、主演のジェラルド・バトラーと『エンジェルハス・フォールン』のリック・ロマー・ワウが再タッグを組んだ今作品は、ディザスター映画の踏襲路線のひとつかな。
ディザスター映画て、70年代にはメジャーな映画館の信頼できる定番やったと映画の本に書いてあった。
90年代には復活して同様に大きな成功を収めたと思うけど、このジャンルは過剰演出のためにほとんど人気が低下していったかなぁいつしか。『ジオストーム』『ポンペイ』『Into the Storm』とかの作品は、それなりに成功したものの、利益率を低下させるようになってんのかなぁと。
このジャンルて、以前ほど盛んではないとは思うけど、今作品はこのジャンルに小さなスケールでアプローチし、災害のより人間的な側面を描いてたしうまくいっていると思います。
基本的にローランド・エメリッヒ監督の『2012』と同じ全体的なプロットで、ある家族に焦点を当て、彼らが生き残ろうとするさまざまなシナリオを経験するのを観てる側は見守るスタイル。
『2012』とは違い、今作品は題材について口数が少なく、『2012』にあったメロドラマやキャラの癖、
たとえば甘やかされたロシアの双子、コミカルな陰謀論者、とかを避けているため、上映時間をさらに長く感じさせるような色調になってましたが、今作品は、より地に足がついた感じで、アクション映画というよりはホラー映画のような雰囲気があり、アドベンチャー映画やアクション映画のようなトーンのディザスター映画とは明らかに一線を画しているかな。
主役の3人がきちんとした演技をしてたし、画面上の出来事に信憑性を持たせてたし、キャストは皆エエ仕事をしてましたよー。
また、スコット・グレンが長時間のカメオ出演を果たし、良いサプライズとなったんちゃうかな。
今作品がディザスタージャンルの低予算作品であるため、特殊効果は控えめやったけど効果的に使われてたかな(1、2カットはあんまり良くないが😊)。
まぁ標準的なディザスター映画であり、現代の平均的な映画よりも少し重みがありました。
脚本は、現代の災害映画で予想されるような展開になるものの、恐怖感、絶望感、緊張感があり、このような状況の恐ろしさを引き出している。
このジャンルを再発明したわけじゃないけど、確立された手法、トリック、パーツをうまく使っている作品でした。
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