玄野

チィファの手紙の玄野のネタバレレビュー・内容・結末

チィファの手紙(2018年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

めっちゃ良かったなぁ〜〜…すごく良かった…望郷…スピード感を持って変化してきた中国だからこそこの手の作品の懐旧のシーンが美しいよなと思う

中学生時代から30年後までを現在⇨追憶の繰り返しで描いていて、いつまで経っても断ち切れないモヤモヤした気持ち、それでも前に進んでいく意思、普段何となく今を生きてると忘れがちだけど、時間の連続性の中にこそ自分が存在できるって事を思い知らされる

自分もたまに手紙を書くから分かるけど、気持ちを文字にしてしまったり、逆にそれを受け取ってしまうと、その気持ちがどんなに些細でも忘れられなくなる(気がする)
それがどういう風に人生に作用するかは人それぞれだけれど、しかも手紙って類じゃなくても、例えば写真とか、そういう自分の手で生み出した錘を引きずって生きていくのが人生なのかな〜とか思ってみたり思わなかったり
何だかんだ断ち切りたい記憶が自分の糧になってることもあれば、良い記憶が大きな壁になったりするから、生きるって難しいなぁ〜

個人的には之南の元夫の何者にもなれない葛藤だったり、弟君の失踪だったり、サブキャラ(と称して良いのか)の行動一つ一つが魅力的だった。あとは、之華の娘の恋心だって、何年も経てば(之華達のように)自分の一部になるし…自分でちっちゃい事なんて言ってたけど、全然そんな事無かったりするんだな〜、って気づいた時にはニヤっとしてしまった…
大きな規模感を持って進む之南の死と文通、その裏で進む小さなストーリーが少しずつ繋がっていく感覚も楽しかった〜、一回見て深く理解するには難しいかなとも思ったけど!もう一回見たい作品でした。

之華、小さな中国のお針子に出てた人だった。ずっと綺麗やな…
玄野

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