エリデス

チィファの手紙のエリデスのレビュー・感想・評価

チィファの手紙(2018年製作の映画)
4.0
ラストレターは松たか子と福山雅治役のキラキラ恋物語が主軸に対して、チイファの手紙は、可視化できない気持ちに焦点を当てたほのぐらい物語。

ひとつずつの出来事と当事者たちの気持ちを、独特のアングルと光彩で表現する。
何度観ても美しいと思うのだろうが、どこか影をあわせ持った大人しい印象。

岩井俊二監督の抜きん出ていた鋭さが、良くも悪くもぼやけてしまった?いつも以上に異世界感を感じ画面内に収まる。気持ちが溢れているようなかんじ。

インタビューで語っていましたが、監督が思い浮かんだセリフや動きが、中国の時代や文化に適しているか事前に中国舞台役者達と試して作り上げたそうです。
なるほど、岩井色が存分に発揮されなかったのか…。


個人的には、監督作品の女性の淡くて少女性を高める衣装が毎回楽しみなんですが、中国の時代考証により叶わなかったところがちょっと残念でした。

原作小説に話が近くて、「お姉さん」のような物分かりの良い作品。
語らない岩井俊二の表現を楽しめます。
エリデス

エリデス