NYにある映画会社に会長のジュニアアシスタントとして入社して2ヶ月を迎えようとしているジェーンという女性の1日を切り取った体裁で労働環境の闇を描いた作品。
会社名も会長の名も出てこないけど、これが2000年代初頭のミラマックス社とハーベイ・ワインスタインをモデルにしているのは明白。
ただ、ジェーン自身が直接セクハラに遭うのではなく、会長やその家族の公私混同ぶりに振り回され、それを当たり前の事として受け流しつつ当然の様に彼女に雑用を押し付けてくる先輩社員、彼女の告発を握り潰す人事担当者など、寧ろパワハラの描写に力点を置いていて、これらはきっと多くの人も経験してきた筈で私自身見ていて辛かった。
ジェーンの名は名無しの花子さん的に使われるジェーン・ドゥが由来するそうだけど、彼女の造形も凡そ性的魅力を感じさせないよう抑えたメイクにしている事もあり、田舎から出てきてマンハッタンから通勤している設定とも相まって男女問わず彼女に共感出来そうな気がする。
(とはいえジェーンが受ける仕打ちは明らかに彼女が若い女性だからなのだけど)
あとガーガーいうプリンタとか終始鳴り続ける電話、キーボードのカタカタいう音がずっと耳障りだった。
そういや10年くらい前まで紙の資料を山ほど打ち出してお偉いさん達に配って回ってたな。