もやし

アシスタントのもやしのレビュー・感想・評価

アシスタント(2019年製作の映画)
5.0
今んところはU-NEXT独占配信。

映画作りのプロデューサーになることを夢見る高学歴エリート新人アシスタントの決定的一日を描く。個人的には一日もの(?)に外れはないと思ってる。映画は当たり外れではないですけどね。


 
仕事が地獄みたいに忙しいのは大前提。でも主人公は本当に優秀なので、そんな毎日でも全力で食らいつく。

そしてこの会社、完全に会長の独裁政権。
作中一度も姿を見せないのもとても印象的。
この会社の全社員が心がけてること。それは会長の機嫌を決して損なわせないこと。
もはや一見して何を目的に働いてるのかもわからなく見えてくる。プロデューサーになる夢なんて…


テーマは推して知るべし、という感じ、です。たぶん勘の良い人はわかると思います。類似する映画は沢山ありますが、この作品はあくまで個人に焦点を当てているのでヒューマンドラマの側面が強いです。私はこういう焦点の当て方の方が好きです。


しかし、社員全員エリートすぎて。会話では決して直接的な物言いをしないんだよね。全てが隠喩的。勿論展開も隠喩的。
アスペルガー症候群の俺には何が何だか…
え?こういうこと?こういう意味なんだよね?の連続ですごく難解な映画に感じた。だって説明が全くないんだもん。

でも一応色々類推してどういう物語なのかは理解したつもり。


こんなのは理不尽だ!おかしい!と言って闘うのもすごいことだと思うけど、でも正義感があればそれが全て正しいという考え方もちょっと違うのかなと思う今日この頃。


脚本がとても上手いし、言い方悪いけどとても楽しめた映画でした。ソリッドで美しい…


唯一の味方の両親(まあ職場の人も一見冷たそうで色々見てくれてるんだけどね)の温かい言葉と現実のギャップが切なすぎて泣きそうになりました。
でも彼女はまだまだ負けないんだろうな。彼女は本当に強い。
もやし

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