長くない作品なのに、どっと疲れる。
彼女と一緒に一日ここで過ごしたような気分にさせられるから。
『バービー』でリアルワールドの男性優位社会に魅せられてしまったケンが、おそらくそこそこ社会的地位があるのであろう男性に声を掛けて「男社会を上手く回せていないのか？」というようなことを問うシーンがある。
そのときのその男性の回答が、もうなんとももはやホラーなんだけど、その瞬間を煮詰めたような作品。
日本は性加害のことをいつまでも「セクハラ」「いたずら」と呼ぶなどそのへんの感覚が絶望的に終わってる(いつまでも引退しない各界のジジイたちのせい)けれど、
そのあたりの意識や認識が日本よりは少なくとも数歩先をいっているように思える国でもこうなのだと思うと、
やっぱり、鑑賞後は「本日の営業は終了しました」という気持ちになる。
