kuu

スプリーのkuuのレビュー・感想・評価

スプリー(2020年製作の映画)
2.5
『スプリー』
原題 Spree.
映倫区分 G.
製作年 2020年。上映時間 93分。

Netflixドラマ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』のジョー・キーリー主演やし期待したが。。。
その彼を迎え、SNSの恐怖と不条理を描いたスリラー(コメディともとれなくないが笑えない)。
カートに立ち向かうコメディアンを『サタデー・ナイト・ライブ』のサシーア・ザメイタが演じるし、これまた期待したが何やねんその演技。
デビッド・アークエット(映画『スクリーム』のキャリアがもったいない)、ミーシャ・バートン、ララ・ケント、フランキー・グランデ(チョイ役)らが顔をそろえる。

ライドシェアドライバーのカート・カンクルはフォロワーを増やしたい一心であるアイデアを思いつく。
それは乗客を手にかけ、その様子をライブストリーミングで配信するというとんでもないものだった。
カートはSNSをバズらせて人生の一発逆転をもくろむが、
『フェイクだ』『退屈だ』と、反応は散々なもので、まったく盛り上がる気配がない。
思惑がはずれたカートの怒りの矛先は乗客にとどまらず、拡散させないインフルエンサーにまで向けられていく。

コンセプトは、現代らしくて革新的なカテゴリーなんやけど、以前にも行われていた。
スマホやPCなど、インターネットを使ったショットからなる映画を作るちゅう、このアイデアは非常に複雑で、首尾一貫し魅力ある映画を作るのは、中々困難なんちゃうかなぁ。
テクノロジーや、ストリーマーの文化、そしてチャットの描写はよかったが。。。
今作品は
風刺なんかぁ?、
オイオイ、ブラックコメディ?
はたまたスラッシャーポルノや警告の類いなんか?
全てを飲み込みも出来ず要点を得ない。
製作者陣にもわからないまま撮り進めたんちゃうかと思うほど杜撰やったかな。
その結果、どのターゲットを狙うべきか決めかねてしまい、どれもヒットしない。
殺る相手もなんか行き当たりばったり。
(まぁ最後はチョイつながるのもあるが)
同様に、ジョー・キーリー(この名前がジョーカーに近いのは彼のせいではないが、彼が連続殺人犯を演じるのは不利やな)も、この今作品を『見ては忘れる』カテゴリーから脱却させるほど愛らしくも不気味でもない。
悪くはないんやけど、『ストレンジャー・シングス 未知の世界』の彼を贔屓目で見てもストーリーは頂けなかった。
今作品の出演者の多くを知ってはいましたが、映画の内容を余り知しらなかったし、結構、間違った考えを持ってました(ポジティブな内容かと)。
まぁ、それが結果的に最後まで見れたんやろと思います。
今作品にはホンマ欠点が多く、ムラがありすぎる。
善き場面もあれば、そうでないものもある。
でも、多くの視聴者の感情を引き出そうとしていてるチャレンジは個人的に脱帽に値はします。
今作品は、名声に飢えたライドシェアのドライバー、カート・カンクルの物語ちゅうか、コンテンツとストリームであり、彼はバイラル(Webマーケティングにおいて情報が口コミで徐々に拡散していくさまを形容する語、じわじわとユーザー間で口コミが広がっていく、という含意がある)になるためにあらゆる致命的な(アホな)計画した。
要するに、今作品は、我々社会のかなり大きなウェートを占める部分、ソーシャルメディアの愛好家、フォロワー、インフルエンサーなどに向けられた、沢村忠の真空膝跳び蹴りか、キラーカーンのモンゴリアンチョップ的攻撃。
ソーシャルメディア、我々のほとんどは、いや、これを読まれてる方はその中に入ってるんかな。
今作品では、その重要な問題が扱われてる。
そして、そのすべてが、陰謀、暴力、あらゆるいたずらといったモンが軽く楽しい方法で語られてる。
なんかその軽いタッチ辺りが頂けない。
すべての登場人物が主人公ではないと感じていたし軽い。
どのキャラも程度の差こそあれ、嫌な奴やった。
プロットはかなりストレートで、時には休憩を取り、息抜きを作りすぎている。
演技部門やと、ハイライトは明らかにジョー・キーリーであり、彼は楽しい部門に多くのものを加えている。
このキャラが好きでなかったとしても、少なくともキーリーは面白い演技をしていたことは認める。
『ストレンジャー・シングス 未知の世界』以来、初めて彼を見ましたが、ドラマに嵌まった小生としては嬉しい限りです。
さて、技術的な面やと、今作品は確かに低予算の長編で、期待するほどのアクションはなく、暴力描写はしっかりしているが、もっと派手でもよかったかもしれない。
また、期待通りかもしれないが、今作品には、騒乱、乱闘に、これといった特徴がなかった。
しかし、この映画で行われたと思われる組織的な作業と編集は、それが当然と思われる前に、時折感動を与えてはくれたかな。
サウンドトラックもクールで良かった。
今作品は、エンターテイメントとして楽しめる作品やとは思いますが、何よりも、ソーシャルメディアへの執着というコンセプトのもと、多くのことを語っている点が魅力だとは思います。
繰り返しになりますが個人的には好まなかったんですが。
インターネット全体に云えることですが。
そのアイデアに興味を持った人、YouTubeに夢中な人、ファウンド・フット系の映画が好きな人、ジョー・キーリーが好きな人は最後まで見れる作品かなぁと。
面白いか否かはご覧あれ。
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