歩けなくなり自殺を図ったバレエダンサーと、彼女を救った落ち目の喜劇役者の人間ドラマ。
チャップリンが主演監督脚本をつとめている本作だけど、コメディではないです。
踊りを失い人生に絶望しながらもカルヴェロに支えられ立ちあがろうとするテリー、昔のように道化を演じられなくなり、酒浸りになりながらもがくカルヴェロを通して人生の哀しみと喜び、栄光と苦悩を描きます。
チャップリンは喜劇役者のイメージが強いので意外だったのですが、素顔の演技は切切と胸に迫るものでした。
輝き成功をおさめていくテリーと裏腹に、落ちぶれていくカルヴェロの痛々しい姿…
それでも諦めないカルヴェロの記念公演のラストシーンは彼の生き様が詰まっていたように思います。
“死と同様に避けられないことがある。生きることだ”
“人生に必要なのは勇気と想像力、そして少しのお金だよ”
“人生とは意味ではない、願望だよ”