はる

ラン・スイートハート・ランのはるのレビュー・感想・評価

2.5
ブラムハウス新作ということでとりあえず観てみたんですが、おや?おやおや?

前半の第四の壁を超えてくる演出から突如スイッチが入り、得体の知れない男に追い回され、誰にも信用してもらえない様子はリー・ワネルの『透明人間』のような恐怖感や胸糞感があり、これは面白くなりそうだと期待したのですが、そこから意外と盛り上がっていかないんですよ。一つ一つのシークエンスの繋ぎ方がだいぶ粗いのでちょくちょく急ブレーキがかかるようにグルーヴ感が損なわれている印象があります。とはいえ中盤まではそこまで悪くはなくラストによっては十分盛り返しも出来そうだな〜なんて考えながら観ていたら終盤から急に変なことをし始めたので流石に笑ってしまいました。

女性から観た男という生き物の恐ろしさをギリギリのラインでリアリティを保ちつつも誇張して描いた前半のノリのまま突き進んでくれたらけっこう怖くて見応えのあるサイコスリラーになったような気がしたんですが、男の正体が明らかになり、それからのあのラストでほとんど恐怖は薄れてしまいましたね。カタルシスもあるようであまり感じられなかったかな。一番の収穫といえばマーベルファンにはコールソンでおなじみのクラーク・グレッグと『ブレイキング・バッド』のマリー役ベッツィ・ブラントが夫婦役としてちょこっと登場したところですね。ヘンテコホラーをサクッと観たい人には丁度いい一本かもしれません。
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