このレビューはネタバレを含みます
しっとり不気味な良いホラーでした。
序盤から怪現象が頻発する湖畔の家、気色悪すぎる串刺し人形、トリックアートみたいな現れ方の悪霊(?)とか優れた恐怖描写でした。
最初は自殺した夫への怒りがあったものの、殺人鬼疑惑やらで精神的に限界に達したベスが「会いたくてたまらない・・・」と泣き叫ぶ場面が悲痛でした。
終盤発覚した夫オーウェンの真実が泣けました。臨死体験で出会った悪霊に目を付けられたベスを守る為、身代わりに止むなく別の女性達を手にかけ、ついには命まで絶っていたとは。人殺しはそりゃいかんけど、オーウェンはベスを心底愛していたんだね・・・。悪霊に唆されて、おかしくもなっていたのだろうし。
オーウェンの行方を聞かれて、「いない。(死後は暗い虚無だと)知っているだろ?」と返す底意地の悪い悪霊も良かったです。でも経緯を結構丁寧に説明してくれましたね。
親友のおかげで助かったベスですが、ぼんやりとボート上に浮かぶ悪霊の影がなんとも厭な余韻でした。