ポンコツ娘萌え萌え同盟

千代田城炎上のポンコツ娘萌え萌え同盟のレビュー・感想・評価

千代田城炎上(1959年製作の映画)
3.7
タイトルだけ見て想像していた作品とはだいぶ違ったこの作品はそう、大奥モノの作品だった。

扉を開くOPを抜けた先に大奥の世界に連れて越されて、まるでワラワラといる御半下の人が集まる中で、一人だけ浮いたような格好でどこか弱々しい感じの新珠三千代が大奥の世界に捨てられ、まるでブラック企業のような仕打ちを受ける。
いや、この時点では千鶴が心を壊していくものだと思ったんだよ。

だけどそんなことなかった。千鶴さんはかなり意思の強い人間だったんだ。最初の弱々しい感じがミスリードかのようにかのように一転して新珠三千代の演技もキリッとして感じの変貌がかっこいい。
そこから稲月様の突然の百合シーンを受けたりだんだん成り上がり系の物語になっていく。
だけど本作の急が急な成り上がりなのもあるけど、なかなかと気の休むところがなさそうな大奥の世界は全体的にピリピリとした雰囲気もあって中々楽しめた。

映像もやっぱり終盤の燃え盛る千代田城が炎上するシーンはやはり見どころだんだんと崩れていく城の内装や炎上の激しさを強く感じる。
だけど序盤のあるシーンで千鶴の視点、いわゆるfps視点となるシーンがあってそこが一番お気に入りだった。

でもやっぱり稲月様なんですよ。本作は。たしかに本編では千鶴の物語なんですが。彼女は自分色に染めた系のレズビアンなんですよ。勿論物語的にはそれが上手くいくわけではないのですが、彼女の結末に察すると愛憎的。
ある意味をこのキャラをこの時代の映画で描いたのはすごい。