あたおか母さん。
もう、何と言ってもサラ・ポールソンの顔よ。怖いにも程がある。笑っているけど目が笑っていないやつ。
舞台はワシントン州パスコ。母ダイアン(サラ・ポールソン)は、低体重児で生まれた娘クロエ(キーラ・アレン)に一心に愛情を注ぎ育ててきた。複数の疾患を患いながらも、クロエはワシントン大入学を目指し、勉学に励んでいたが—— 。
母に飲まされていた薬に違和感を感じたクロエ。
え ッ ?
何 飲 ま さ れ て い た の ?
完全に制限された中で魅せるスリラー。
歩けない。
糖尿病に喘息。
家からは出られない。
電話も掛けられない。
スマホは持たされていない。
ネットも自由に使えない。
雁字搦めの母の愛に殺される。
限られた条件下での見せ方が上手いと思ったら、「search」の監督さんなのネ。なるほど上手い訳だ。
得体の知れない薬の正体を暴く為、母と来た映画館を抜け出して、薬局へと車椅子を懸命に漕ぐクロエとか、めっちゃ応援しちゃうんだが!!
我が子を殺したい訳じゃない。
いつまでも弱き存在として自分の保護下に置いておきたいという歪んだ愛情。
そんなもの、同じ親として1㍉も共感は出来ないけれど、子の健康を願い大きく育って欲しいという想いと、いつまでも今のまま小さいままでいて欲しいという矛盾した想いがあるのは、ほんの少しわかる。
先が読める様で読めない感じが絶妙。
オチも素晴らしい。
ダイアンの心情をもっと掘り下げても良かった気はするけど、90分という尺で纏めた事を先ずは評価したい。