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RUN/ランのkuroereiのネタバレレビュー・内容・結末

RUN/ラン(2020年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

あらゆる疾患で薬無しには生きられない車椅子の少女と彼女を懸命に育てる母親。しかしある日、毎日飲む薬が母名義で処方されたものを自分宛てに偽装して渡されたと娘が知った事から家族の真実が見えてくる

明かされる真実やそこに至るまでの展開は予想通りなので特に驚くようなものではないが、とにかく娘のキャラクターが良い。頭が良く機転が効き、済ました顔で嘘と真実を交えた言葉で狂気の母に対応する度胸、しかしその優れた部分をもってしてもあまりある各種疾患と歩行不能という枷、このバランスがとにかく巧い
1人ではドア一枚破るのも2階から降りることすら命懸け、マジで戦えば母には一切敵わない。おまけに薬漬けの身体は時に呼吸すらままならないときてる。ホント無理ゲー感がすごくてハラハラドキドキが過ぎる

だが一番秀逸なのはラストシーンで、ともすれは中盤からただのサイコスリラーになってた映画の筋を、ここまで積み重ねてきた母と娘の物語としてきちんとまとめ、かつ支配する者とされる者を逆転する事でホラーでは王道とも言える背筋の凍る余韻を意外な形で与えてくれたのは唸った
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