小林モンジャ

RUN/ランの小林モンジャのレビュー・感想・評価

RUN/ラン(2020年製作の映画)
3.8
病気を患い麻痺で車椅子生活にもめげずに勉学に励む娘、そんな彼女を献身的に介護する母による寒いシアトルの寒さすら吹き飛ばすような心温まるハートフルストーリー

…ではありません。母の挙動が怪しいです。ネットで調べ物をしようとすると遮断されます。

主人公のキーラアレンは実際に車椅子生活をしている女優さんとの事。サラ・ポールソン演じる母は神経質そうなオーラがよく出てて良い。

90分という長さがマジでちょうど良い良作。出てくるのも母と娘と+α、ストーリーも寄り道せずに進む感じが好印象。伏線を張ってどうこうではなく、娘目線で不穏さを体感していく前半〜中盤の流れはとても良いです。

後半は急に「映画」っぽい流れになってしまい、風呂敷を畳もうとしている感じが出てしまいますが、最後はこの映画はスリラーホラーだった事を再確認して閉まるので好きなラストです。

如何ネタバレ含む感想&疑問




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・死亡証明書を出していたら保険適用とか補助の類受けられないよな。証明書が出される前に他人の子とすり替えておかないとダメなのでは?
・母の背中にある傷は自分でつけられない部分なので幼少期に虐待を受けた経験があるという事だろうけど、ない方が得体が知れなくて良かった。
・ラストは好きなんだけど、最大の復讐は幸せな様を見せつけるという個人の考えでは子供でも連れて「歩いて」部屋から出ていって欲しかったかも。ホラーという観点ならこれも好きだけど。

※この母は明らかな代理ミュンヒハウゼン症候群。献身的に姿を見せる自分を世間にアピールする一方で対象者を傷つける事には罪悪感を覚えない病気。ほとんどのケースが母が子に対して行うものであるのが特徴。日本でも神奈川で我が子2人を手に掛けた母親の話など、定期的にワイドショーを騒がせています。