HAYATO

RUN/ランのHAYATOのレビュー・感想・評価

RUN/ラン(2020年製作の映画)
3.7
2023年391本目
大好きな映画『search サーチ』のアニーシュ・チャガンティ監督作
大学進学を目指す車椅子の少女・クロエが、歪んだ愛情を向ける母親から逃れようとする姿を描いたスリラー
自分を親切にお世話してくれていると思ってた人が実はやばい人だったという設定は、『ミザリー』を彷彿とさせる。
迫り来る魔の手から逃れるため、クロエが懸命に逃げようとするも、車椅子ユーザーであるが故に様々な障害にぶち当たってしまう姿を見て、車椅子の利用者が普段からどれだけ苦労しているのかが伝わってくる。
激ヤバマザー・ダイアンを演じたサラ・ポールソンの演技がお見事で、身勝手な欲望のままに娘を支配しようとする姿がめちゃくちゃ怖かった。
そんなダイアンも過去に傷つけられた経験があるようで、弱者が弱者を追い詰めてしまう負の連鎖は、社会問題に通じる部分がある。
本作の主人公・クロエを演じているキーラ・アレンが、実際に車椅子ユーザーの当事者であるということはとても意義深い。
最近ハリウッドでは、感動系のものに限らず様々なジャンルの映画で「当事者」が演じることが増えてきているのは喜ばしいし、日本も見習うべきだと思う。
チャガンティ監督が次はどんな作品を作り出すのかとても楽しみ。
HAYATO

HAYATO