雨女

RUN/ランの雨女のネタバレレビュー・内容・結末

RUN/ラン(2020年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

すっごーく面白かった!!!気持ちが緩むような時間がほぼなくて、とてもスピード感のある映画でした。
ドキドキハラハラ毒親(?)サイコサスペンス。文字通りの「毒」親……ていうかギリ親ではない。
頑張れクロエ!あー!!すごいぞクロエ!!あーー!!!逃げろクロエ!!!あらー!!!!
ここからはさすがに無理かクロエ?おーー!!!
という感じだった。可能性は無限大!!

地下室のシーン、咄嗟の発想で闇鍋神経毒乱雑作成からの即ぶち込もうとするサイコママン怖すぎた。全てを忘れられる注射💉じゃないのよ……そんなキモい混ぜ物を血管に直に入れたらやばいよね。それぞれは弱い毒だとしても死ぬわよそれは……
薬に違和感を抱いてからの、数日間の毒抜きというか、飲んだフリして薬飲まないでいた期間がなかったら、あの倉庫に咄嗟に逃げ込むことすらできずにdeathお注射喰らってくたばっていたのかな??

自分もODで自○未遂して入院したことあって、薬を炭に吸着させる治療方法を知ってたから、黒い液体が注入されていく管が映るシーンを見た時はわかりやすくて良かった。あのシーンはクロエの再誕という意味だったのかな?物語のはじまりのシーンとそっくりの写し方をしてあったよね。これまでずっと毒に侵されてきたクロエの体に、やっと毒を取り除いてくれるものが注入されて、少し安心した。
そして、OD後の体の辛さを思うと、病院から連れ去られるクロエに感情移入しすぎてつらくなった。体は動かせなくても頭ははっきりしてて、自分は縛られてて、ママンは全速力で連れ帰ろうとしてる。絶望して全てを諦めてもおかしくない状況……
あと抜管って素人があんな勢いでやっても大丈夫なの?!と思ったり。大丈夫じゃないから声が出せなかったということ?

各所でクロエの頭の良さや機転が利くところが写されるので関心しきりだった。よくこんな賢い子に17年間も隠し通せたね……ママを疑う理由がないほどに、クロエの全てを縛り付けながらも、愛は与えていたという事なのかな?大学の合否通知が来ないことや薬に違和感を抱く前に、気づくタイミングは山ほどあったのでは?と思う。

個人的に気になったことは、いつからクロエはクロエとして周囲に認知されて生きるようになっていたんだろう?ということ。死亡診断書が家にある=クロエには戸籍が無いと仮定すると、そもそもどうやって医者にかかって、どうやって薬を貰っていたんだ……?と気になってしまった。例の犬用の薬も隣の薬局(?)から処方されたものなのだとしたら、そもそも犬がいないと物語が始まらないけど、アメリカでは犬の飼育には登録が必要なはず。ストーリーの外側でクロエと同じように犬も毒に侵されていたりするのかな😱??それとも毒系のものは全部ネットで検索したものをホームセンターで買って、自分に処方された薬の入れ物に移し替えてたのかな??いやでも、あのカラーリングで通常の犬用の薬として処方されてるんでしょ?……わかんないや。気になりだしたら止まらないけどやめておく。

そして、倉庫で合格通知が出てきちゃったシーン、私がなにかをどこかで見落としたのか、右上のWの文字の意味がわからず、最初はただの大学の合格通知としか思わなかったけど、「可能性は無限大!」のシーンでワシントン大学と表記してくれたおかげでやっとワシントン大学のWだってことを理解したので、分かりやすく描いてくれて助かったし、家庭学習だけでワシントン大学受かったの?!クロエすげぇ〜!!と思った。それを教えてきたママンも本当はめちゃくちゃ賢いんだろうね。賢いからこそ17年間も隠し通せちゃったのかな?
クロエが賢く、強く、生まれた時から困難に立ち向かって来ていなかったら解決できなかったであろうシーンが多くあり、ママンの最初の言葉が伏線だったのか……と思った。17年間、体がつらくて苦しい中でもたくさん学び、生き抜いてきたクロエの努力を思うと泣ける。

また、周りの親が子供の大学進学、子離れについて話して泣いたりの中でママンが1人だけスマホいじってたシーンに、この人は「親ではない者」なのだという意味がぎゅぎゅっと詰め込まれてたんだな〜と思い、見返してゾワっとした。

ラストシーン、個人的にはとても良い終わり方だと思った🤣お薬の時間よ♡
7年後のクロエは義足を作る仕事をしているのかな?そして本当の親にも会えており、娘や夫もいるようなのに、それでも復讐してやると思うほどの強い深い恨み憎しみを感じてとてもよかった。

easy revenge!(チェンソーマンより)
雨女

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