CANACO

シャレードのCANACOのレビュー・感想・評価

シャレード(1963年製作の映画)
3.7
1963年公開作品。『雨に唄えば』でジーン・ケリーとともに監督を務めたスタンリー・ドーネンが監督している。ピーター・ストーンによる脚本は、1964年に映画脚本部門でエドガー賞を受賞した。

オードリー・ヘプバーンが富豪の妻役を演じ、ジバンシィが提供した上品で洗練された衣裳もあいまって話題に。

富豪ではあるものの謎と嘘が多い夫・チャールズが嫌になり、離婚を決意する妻・レジーナ・ランパート。
しかし、旅行先からパリに帰宅すると、大きな邸宅のなかはすっからかんになっていて、呆気にとられるレジーナ。そこに司法警察のグランピエール警部が現れ、チャールズは家財を全て売却して得た25万ドルを持って逃亡、その途中で死亡したことを告げる。
その殺人事件から始まる、25万ドルの行方と妻・レジーナにつきまとう複数の男たちの謎を解く物語。

『暗くなるまで待って』好きなら、きっと観て損はないサスペンス作品。しかし、オードリー演じるレジーナがちょっと頭悪いというか、ぶっとんでる印象。冷めていたとはいえ殺害された夫の犯人探しをしていて、自身も完全に狙われているのに、毎回オペラでも観に行くかのような派手な服装にコロコロ着替えるのが能天気すぎて違和感。着せ替え人形みたい。
警部に尋問されて、夫のことなんにも知らないと答えるのも頭悪い。そもそもなんで結婚したの?って「?」が浮かんじゃう。

それを除けばスリルいっぱい、フーダニット(誰が犯人なのか)と、ハウダニット的要素(どのように25万ドルを隠したのか)の同時進行で、飽きさせない内容で満足。

ケーリー・グラントが演じる“第四の男”ピーターとオードリーの掛け合いは、かなり小気味よく楽しい。未亡人・オードリーが積極的に迫りすぎてて、そこもなんだかなあと思うけど、ピーターの行動には一貫性があり、安心して観ていられた。かっこよすぎるな、ピーターは!(褒め)
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