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シャレードのCinemanのレビュー・感想・評価

シャレード(1963年製作の映画)
3.0
『シャレード』
スタンリー・ドーネン監督
1963年公開アメリカ
鑑賞日:2023年3月4日 Amazon Prime Video

高校一年、初めてこの作品を観たときの忘備録にはこんな感想がメモしてありました。
恥ずかしながら原文のままです。

一口で言うと最高に楽しめる映画だ。
タイトルのアニメーションがイカシしてるし、
スリル有り、笑い有り、そしてヘプバーンとケーリー・グラントの会話のユーモアがいい。
うれしかったのはジェームズ・コバーンが出てきたことだ。
オードリーの映画は初めてだけれどいっぺんで好きになってしまった。
ケーリー・グラントのオトボケも仲々よかった。
一回もアクビをしなかったのはチョイトまれである。
映評:もちろんA上


主演はケーリー・グラントとオードリー・ヘプバーン。
世界的大スターの共演で話題になったロマンティック・サスペンス映画の先駆けです。

【Story】
白銀で埋まるスキー場にレジー・ランバート(オードリー・ヘプバーン) は従姉妹と二人でバカンスに来ていました。
レジーは大金持ちと結婚していましたがスキー場で夫チャールズとの離婚を決意します。
そんな時ピーター・ジョシュア(ケイリー・グラント)が絶妙のタイミングでレジーに近寄ってきます。
紳士でユーモアのあるピーターとレジーは初対面ながらしゃれた会話を交わします。

パリに戻ったレジーを待っていたのはもぬけの殻となった住まいでした。
しかも夫が殺されていることも知らされます。
チャールズは家財道具のすべてを競売にかけた落札代金25万ドルを持って列車でパリ脱出を試みたところ何者かに列車から突き落とされて死亡したとのことでした。

警察署で夫の遺品(小さなバッグに手帳、櫛、万年筆、レジーナに宛てた未投函の手紙、偽名のパスポート4通)を受け取りレジーナは警察署を後にします。
自宅に戻って途方に暮れたレジーナの前にスキー場で知り合ったピーターが現れて「事件のことは新聞で知りました。何か協力できることはないか」と申し出ます。

夫には秘密がありかつて25万ドルを仲間と強奪したことが明らかになっていき、
夫が隠しているはずの25万ドルを取り立てに3人の元仲間がレジーナに近寄ってきます。


【Trivia & Topics】
*魅力的な音楽。
アメリカ映画の伝説的な作曲家ヘンリー・マンシーニが担当しています。
『ティファニーで朝食を』(1961)アカデミー賞 歌曲賞、劇・喜劇映画音楽賞受賞
『ハタリ!』(1961)
『酒とバラの日々』 (1962)アカデミー賞 歌曲賞受賞
『ピンクの豹』(1963)
『いつも2人で』(1967)
『ナタリーの朝』(1969)
「ビクター/ビクトリア」(1982) アカデミー賞 音楽(編曲・歌曲)賞受賞
『ガラスの動物園 』(1987)
61年、62年と続いたので63年に『シャレード』が受賞すれば3年連続開けでミー賞受賞という偉業を達成できたのですが。

*ウォルター・マッソー。
大好きなウォルター・マッソーがこの映画に出演しています。
サブスク配信されていればぜひともビリー・ワイルダー監督の『フロント・ページ』のマッソーを観ていただきたいですが、残念。

*ユベール・ド・ジバンシィ
本作品の楽しみ(特に女性にとって)の一つがヘプバーンの衣装。ジバンシィが担当しています。
ヘプバーンのイメージを作りあげたのはジバンシィの服だと言われています。
ジバンシィがヘプバーンのドレスをデザインしたのは『麗しのサブリナ』(1954)からです。
当時パラマウントの関係者から「ヘプバーン」という女優が次の映画で使う衣装を探していると言われたジバンシィは大喜びしました。憧れの大女優キャサリン・ヘプバーンだと勘違いしたのです。
オードリーと初対面したジバンシィは失望し今は衣装を新たに作る時間はないと断りました。
ただし「すでにある服でよければ」と答えたのでヘプバーンは1953年春夏コレクションの中から3つのドレスと帽子を選びました。
パリ・コレの一流モデルに合わせて作られたドレス(ウエスト50.8cm)を着こなしたヘプバーンにジバンシィに驚きました。
その後二人の友情と協力関係はヘプバーンが死去するまで続きました。
ジバンシィは35年間ヘプバーンの身体のサイズは1インチとして変わらないと述べています。

【5 star rating】
☆☆☆
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