シネマスナイパーF

佐々木、イン、マイマインのシネマスナイパーFのレビュー・感想・評価

佐々木、イン、マイマイン(2020年製作の映画)
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佐々木!佐々木!佐々木!佐々木!佐々木!佐々木!佐々木!
佐々木、青春に似た男
このキャッチコピーが素晴らしいですね
かっこよすぎ
これまた男向けの良作がきたね


時制を行ったり来たり繰り返すタイプの映画ではありますが、過去が描かれるのは、立ち止まった現在の悠二をその時々で前に進ませるため
前後しているけど、主軸は変わらず前へ前へ進もうと努力している
映画として、感情の積み重ねを丁寧に行うための手段だった
結論に向かうまでの映画の感情、目的は真っ直ぐだと思う

関わった方々が口を揃えて仰るように、佐々木とは、蒼き日々の身近に存在したヒーロー
佐々木とは、何よりも無敵且つ何よりも繊細な「青春」の擬人化
だから、佐々木は青春に似た男と言える
佐々木という男の造形、そして同級生四人組の空気が筆舌に尽くし難い素晴らしさ
全裸になるようなやつじゃなくても、汚い部屋でだべる放課後じゃなくても、影響力のある人間は誰の過去にもいたはずだし、何気ない自分たちだけの時間はあった

すべてにおいて多感な時期に受けた影響は、もちろん必ず今に続いている
ふとした瞬間に思い出した佐々木=青春は、前に進むための燃料として機能し、あまりにもパワーがある
そんな佐々木=青春が、再び人生に大きな影響を与えるときが来た
それがまさかあのような形になるとは
しかし、それは人生において至極当たり前のことで、受け入れていかなければならないこと
それでも、そんな大きなものを残した佐々木=青春に、俺たちも再び歓声を上げるんだよ

今考えると、青春とは夢のような時間だった
怖いものは今ほど多くなかった
その分、知らないものに対する怖さは今以上だったな
どんな夢だった?と、青春を過ぎてから出会った方々に聞いてみたくなる
夢のような男、佐々木が見せる夢のような最後、それを目撃できる映画もまた夢のような時間
佐々木コールが鳴り止まないね

仲良し四人組の各々の送る人生がまたこれ以上なくシンプルかつリアルで説得力があった
佐々木の家庭環境以上に悠二の家庭の方が妙に印象に残るのも、作り手たちの上手さが光る


村上虹郎が主人公の後輩としてちょい役で登場
確定演出だったわ
演者の皆さん全員素晴らしいですが、萩原みのりさんがふとたまに広末涼子を覗かせることにいちいち鳥肌でした