ゆず

佐々木、イン、マイマインのゆずのネタバレレビュー・内容・結末

佐々木、イン、マイマイン(2020年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

全編に渡ってとにかく雰囲気(寂しさや空虚さ、あと優しさ)が出ていることと、ラストの唐突な熱量にまんまとやられてしまったことの二つで、傑作だと思っている。
…が、結局なんの映画だったのかと考えるとなんだかよく分からないのであり、例によって雰囲気を味わって最後に笑って帰ってきただけなのかもしれない…。
そもそもマイマインってなんすか…?


ササキ!ササキ!ササキ!ササキ!ササキ!ササキ!ササキ!ササキ!ササキ!ササキ!ササキ!ササキ!ササキ!サ


よく分かってないのだが、ラストのアレはどう見たら良いのだろうか。現実?それとも虚構?
A. 現実説。佐々木は実際に棺から出てきた。ササキ!ササキ!ササキ!
 A1. 実は死んだフリであり、久しぶりに会う友達を驚かせたかった。
 A2. 死んだと勘違いされ棺に入れられた。もしくは仮死状態からの奇跡の復活。
B. 虚構説。佐々木は棺から出てこなかった。裸の佐々木は、友人たちの思い出と期待がない混ぜになった幻だった。ササキ!ササキ!ササキ!ササキ!

このラストを見た時はあまりにも唐突に楽しかったので笑ってしまったのだが、笑いながらも本当にこの解釈(現実説)で良いのか気になった。しかもそのまま終わったので真相は分からないまま。
いや、見たままじゃん、と言われたらその通りだし恥ずかしいのだが。
でも、佐々木と付き合いのあった女の子・苗村さんが何故か叫び声を上げるかのように霊柩車のクラクションを鳴らすんだよね…。わざわざ運転席に座って。友人たちのササキ!ササキ!ササキ!ササキ!と霊柩車の(´º∀º`)ファーʬʬʬʬʬʬʬʬʬʬʬʬʬʬʬʬʬʬが重なって物凄くうるさいけどとても昂る。(ああ…世界の終わりに鳴るラッパってこんな音なのかもしれねえな…)


ササキ!ササキ!ササキ!ササキ!ササキ!ササキ!ササキ!ササキ!ササキ!ササキ!ササキ!ササキ!ササキ!サ


霊柩車のクラクションを鳴らす時って、出発の時しか思い付かないので、やっぱり苗村さんは出発のクラクションを鳴らしたのだろうか?おまえら佐々木コールやめろよ、はやく火葬場行かせろ!という意味?
映画としては、燻っていた主人公・悠二が高校時代の友人・佐々木を思い出し(マイマインとはmy mindである)、最終的にはいろんなものにケジメをつけて再び前に進み出そうとする物語。そして、ラストの佐々木復活コールまでに悠二の物語はすべてケリが付いている点から考えても、悠二の中で佐々木は「思い出」として完結してしまったのではないだろうか?
そもそも「映画」でかつての友人を語るという行為自体が、額縁の中にその友人の姿を切り取って(無理矢理に)完結させるということであり、それはある意味では「遺影」と同じである。その友人がこれから先も人生を過ごして行くとしても、映画を通してはその完結した一幕しか見ることも語ることも叶わず、人生そのものよりも映画の方が「佐々木」を饒舌に語るに違いない。
だから、あのシーンで「実は佐々木は生きてました!うぇーい( 0w0)ノ俺たちの青春はまだ終ってねえぜ!」的なことだったとしても(それはそれで嬉しいが)、何ら映画的意味は無いような気がする…。じゃあやっぱり佐々木死んだのか?いやあいつは生きてるよ俺たちの心の中にな…。うるせえよそういうことじゃねえんだよ!ササキ!ササキ!ササキ!ササキ!ササキ!ササキ!ササキ!ササキ!(´º∀º`)ファーʬʬʬʬʬʬʬʬʬʬʬʬʬʬʬʬʬʬ
ゆず

ゆず