おばけシューター

佐々木、イン、マイマインのおばけシューターのレビュー・感想・評価

佐々木、イン、マイマイン(2020年製作の映画)
4.0
考えてみれば、友だちってすごく曖昧な関係ですね。親とか先生とか恋人とかその状態が大体明確だけど、友人ってハッキリした線引きも合意もなく、なんなら一方的な認識の場合もある。まぁどう線引きしてもわたしは友だちいないんですがそれはまぁよくて、

このストーリーにはかつて友人だった人との再会、関係が揺らいだり、別れたりの要素がわりかし中央に据えられているのでそんなことを考えてみましたが、本作のメインテーマはきっとそこじゃないですよね。

大事な部分はやはり、クライマックスが示す通り
前に進むということは何かと決別すること!という話ではないでしょうか!

ユウジは大人なのに10代みたいに新しい事始めたり、無鉄砲に喧嘩したりとモラトリアムから抜け出せずにいるわけですが、
やっと走り出すに至るまで背中を押してくれていたのが佐々木で、彼自身は抜け出せなくなってしまった青春時代から「お前はやりたい事やれ」と本気で応援してくれてたわけです。

佐々木はかなり極端なキャラクターで、こんなやついねーよ(というか多感な時期に学校で全裸になる高校生ってあり得ないだろ)という気持ちだったんですが、あれは佐々木を抽象的な存在に据えるための表現なんでしょうかね。そんなことない?
自分の事を思い返してみると、やはり背中を押してくれた佐々木がいたように思う。服は着てましたが。いやいなかったかな。それはまぁよくて、

(佐々木役の細川岳さん、脚本も手掛けてるそうですが、自分の役が全裸になるカット入れまくるのすげえ。全裸のカット、どれも迷いなさすぎる…怪しいな)

正直佐々木のあり得んノリよりも、元カノのユキの人格が悪い意味で気になった。
気持ちに気づいてる上で同居し、酔った勢いでイチャついてくる癖に別れ際に他に好きな人がいるっていう絶対に言わなくていい話してきて、そんなことしておいて「自分いい彼女でした🥹」みたいな顔🥹するのがふゆかい!ユウジの気持ちを弄んだ自分の醜さを認めるって脚本なら、しょうもない女として去れよって思いました🥹完全に個人的な悪い思い出補正です。すんません。

カラオケで苗村さんが歌ってるとこの【アタイに"ィ"わかるま〜で〜】のとこ、一瞬声裏返るのがめちゃくちゃいい味出してて、一番好きなカット。さすがに狙ってないでしょうが。

西岡恭蔵のプカプカは72年の曲だそうですが、カバーしてるのがWikipediaに載ってる分だけでなんと26アーティスト!
名だたるメンツが揃ってますが、ハンバートハンバートのカバーとか、ほんといいですよ。

おわり