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佐々木、イン、マイマインのsummerbloomのレビュー・感想・評価

佐々木、イン、マイマイン(2020年製作の映画)
4.0
悠二は佐々木の孤独を一緒に背負えなかった(背負わせてもらえなかった)ことを10年近く経ってもまだ引きずっている。恋人と別れた後も未練があってずるずる同棲を続けている。そういう優しさというか、甘さというのかもしれないが、割り切れないものを持って生きている人だ。悩んでいる間にも周りは変わっていく。自分も生活をしていかなくてはいけない。誰だって自分だけが自分で、代わりはいない。これはきついことで、悠二みたいな人は生きづらいと思う。
佐々木も同じように生きていく場所を見つけるのに苦労する人だと思う。カラオケボックスで奇跡の出会いをしたのに帰りに連絡先を聞かない男が苦労しないはずがない。
一方で高校の時は一緒にバカやってた仲間も、ちゃんとしてるやつは仕事も結婚もしていて、何なら子供までいたりする。人生は不公平だということを自然に描きながら、かつ希望を見せるところが良かった。劇中劇のセリフが心に残る。

タイトルのインマイマインはin my mindだろうか。ラストが唐突すぎてゆるんだ涙腺が一瞬で引き締まったが、あれはあれで良かったのかなと思わないでもない。普通に終わらせても「おもんないわ」というメッセージだろう。佐々木はみんなの心の中にいる。
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