キャンチョメ

佐々木、イン、マイマインのキャンチョメのネタバレレビュー・内容・結末

佐々木、イン、マイマイン(2020年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

『ロング・グッドバイ』原作は読んでないけど、アルトマンの映画版は観ていた。その時はいまいちピンとこなかったけど、本作を観て、『ロング・グッドバイ』観てて良かったなと思った。青春にいつまでも固執するのは嫌なんだけど、いわゆる大人になりたいというのも違う。つまり、あの頃にさよならを言えるようになりたい、ということなのかもしれない。劇中でも言われているように、自分との別れだ。

(追記 チャンドラーじゃなくてテネシー・ウィリアムズの『ロング・グッドバイ』らしい。)

ユキと多田の既視感よ。青春映画を観て一番思い出すのは中学生の頃だけど、中学時代に特に思い入れがあるわけではない。それでも、あいつどうしてるだろうと思い返すのも、やっぱり中学時代の友人がほとんど。

こいつ面白いと思ったやつが、自分のことはそんなに面白いとは思ってくれていない。これもしや自分だけにあることかと思っていたので、「やっぱりあるよな」と少し納得した。面白いと思ってくれていない=仲良くない、というわけでもないし、本人に聞いたわけでもないけど。

佐々木コールの馬鹿馬鹿しさと、虚しさ。父親の不在による寂しさを埋めるために道化を演じていたのかな。その気持ちは何となくわかるだけに、佐々木が単なる青春の象徴的な、「他者」に留まっていないのだと感じる。

最後のユウジの走る姿良かった。駆け抜けるシーンって青春的だけど、向かう先は青春の終わり。佐々木の復活は流石に妄想と解釈。その方が儚くて美しい。けど、本当に復活していても、佐々木ならありそう。
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